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ブランドエクイティとは?構成要素と高め方をわかりやすく解説!

ブランドエクイティとは?構成要素と高め方をわかりやすく解説!

「ブランドエクイティを高めよう」と言われたものの、何から手をつければいいか迷っていませんか。ブランドエクイティとは、ブランドが持つ資産価値のことです。形がなく数字にしにくいため、つかみどころのない言葉に感じる方は少なくありません。 

この記事では、自社のブランド戦略を任された担当者の方に向けて、ブランドエクイティの意味から構成要素、測定方法までをまとめて解説します。 

目次

    ブランドエクイティとは? 

    ブランドエクイティとは?

    ブランドエクイティとは、ブランドそのものが生み出す資産価値を指します。商品の品質や価格とは別に、名前やロゴ、これまでの体験が積み重なって生まれる価値のことです。 

    なぜ資産と呼ぶのでしょうか。それは、ブランドが将来の利益を生み続ける源になるからです。同じ性能の商品でも、信頼されているブランドのほうが選ばれ、高い価格でも売れていきます。 

    ただし、資産であるということは、価値が下がる可能性もあるという意味でもあります。不祥事や品質トラブルが起きれば、積み上げた価値は一気に目減りします。プラスにもマイナスにも動く資産、それがブランドエクイティだと考えると分かりやすいです。似た言葉と混同しやすいので、まず整理しておきましょう。 

    用語 意味
    ブランドエクイティ ブランドが持つ資産価値の総体
    ブランドイメージ 顧客が抱く印象や連想
    ブランド価値 資産価値を金額などで表したもの

    【関連記事】ブランディングにおけるロゴとは?制作ステップや成功させるポイントを解説 | 大伸社コミュニケーションデザイン 

    ブランドの資産価値を指す 

    ブランドエクイティの中心にある考え方は、目に見えないブランドを企業の資産として扱う点にあります。1980年代後半までは、よい商品さえ作ればブランドは後からついてくると考えられていました。 

    その流れを変えたのが、カリフォルニア大学バークレー校のデイビッド・アーカー教授です。アーカー教授は、ブランドを意図的に育てる資産として捉える考え方を体系化しました。 

    参考:デイビッド・A・アーカー – UCバークレー・ハース 

    エクイティは資産を意味する 

    エクイティ(Equity)は、もともと金融の世界で株主資本や自己資本を表す言葉です。つまりブランドエクイティを直訳すると、ブランドが持つ資産という意味になります。お金や土地のように形のある資産と違い、ブランドは数字で見えにくい資産だと言えます。だからこそ、後ほど紹介する測定の考え方が役に立ちます。 

    ブランドエクイティの構成要素 

    ブランドエクイティの構成要素

    ブランドエクイティは、どう分解して考えればよいのでしょうか。代表的な枠組みが、アーカー教授が提唱したアーカーモデルです。 

    このモデルでは、ブランドエクイティを5つの要素に分けて捉えます。抽象的な価値を要素に分けることで、自社の強みと弱みが見えやすくなります。 

    知名度を表すブランド認知 

    ブランド認知は、そのブランドがどれだけ知られているかを表す要素です。人は知らないものより、知っているもののほうに安心感を抱きます。特にデジタル化が進み、商品選びが困難になるほど大量の情報が溢れる現代において、ブランドとして認知されていることは、ユーザーがストレスなく商品を選ぶための大きな道標となります。 

    例えばコンビニで同じ価格のお茶が並んでいたら、聞いたことのあるメーカーを選びますよね。認知は、選ばれるための入り口になります。 

    主観評価を表す知覚品質 

    知覚品質は、顧客が頭の中で感じている品質のことです。企業側が考える実際の品質ではなく、あくまで顧客の受け取り方を指します。 

    つまり、どれだけ高性能でも顧客が高品質だと感じなければ、知覚品質は低いままになってしまいます。伝え方まで含めて品質だと捉えると整理しやすいです。 

    愛着度を示すロイヤルティ 

    ブランドロイヤルティは、顧客がそのブランドに抱く愛着や信頼の強さを表します。5つの要素のなかでも、収益に直結しやすい部分だと言われています。 

    ロイヤルティが高い顧客は、多少の値上げや競合の登場では離れません。その結果、安定した売上につながっていきます。こうした強固なロイヤルティを高めるには、単なる機能の差別化に頼るのではなく、日々の活動を通じてブランドの価値を蓄積していく「差積化」の意識が重要です。 

    想起像を表すブランド連想 

    ブランド連想は、ブランド名を聞いたときに思い浮かぶイメージの集まりです。広告や口コミ、自分の体験などが連想のもとになります。 

    連想される対象は商品カテゴリーだけでなく、キャラクターや人名、感情、商品特性(おいしい、かわいい、高級など)などあらゆるものが含まれます。あるカテゴリーでそのブランド名が一発で出てくるようなら「強いブランド連想」ができていると言えます。 

    ポジティブな連想が多いほど、競合との差別化が進みます。逆に、あいまいな連想しか持たれていないブランドは、市場に埋もれやすくなります。 

    特許や商標などその他資産 

    その他のブランド資産には、特許や商標権、取引先との関係といった無形の資産が含まれます。これらは、競合の模倣を防ぐ盾の役割を果たします。商標を登録していれば、似た名前やロゴを他社が使えなくなります。こうした権利も、ブランドを守る資産として数えられています。 

    ブランドエクイティを高めるメリット 

    ブランドエクイティを高めるメリット

    ブランドエクイティを高めると、ビジネスにどんな良いことがあるのでしょうか。ここでは代表的な4つのメリットを整理します。 

    正直に言うと、ブランドエクイティを育てるには時間がかかります。それでも取り組む価値があるのは、次のような効果が長く続くからです。 

    価格競争から抜け出せる 

    ブランドエクイティが高いと、価格だけで比べられにくくなります。多少高くても、このブランドだから買う、という選択が生まれるからです。その差額は、価格プレミアムと呼ばれます。利益率を押し上げる、分かりやすい効果だと言えます。 

    指名買いで売上が安定する 

    愛着を持つ顧客は、迷わずそのブランドを選び続けます。いわゆる指名買いが増えると、売上の波が小さくなっていきます。景気や競合の動きに左右されにくくなる点は、経営の安心材料になります。 

    新規獲得の費用が下がる 

    満足した顧客は、口コミで新しい顧客を連れてきてくれます。その分、広告にかける費用を抑えられます。一般的にマーケティングにかかるコストは、新規顧客の獲得に最もコストがかかり、休眠顧客の掘り起こし、既存顧客の継続的なサポートの順にコストが下がっていくとされています。

    そのため、口コミによって新規顧客の獲得コストを抑えられれば、全体のマーケティング・コストを大きく下げられることになります。新規顧客の獲得にかかる費用はCPAと呼ばれ、ブランドエクイティが高いほど下がりやすい傾向があります。 

    模倣されにくい参入障壁になる 

    機能で差をつけるのが難しい時代でも、積み上げた信頼やイメージは簡単にはまねできません。これが参入障壁として働きます。製品やサービスの機能そのものは競合にすぐ追随され「コモディティ化(陳腐化)」を招きがちですが、企業と顧客とのあらゆる接点で積み重ねられたブランド体験は他社には真似できないからです。 

    同じ性能の商品が出てきても、すでに選ばれているブランドからは顧客が離れにくいです。 

    ブランドエクイティの測定方法 

    ブランドエクイティの測定方法

    形のないブランドエクイティを、どうやって測ればよいのでしょうか。完全に数値化するのは難しいものの、実務で使われる考え方はいくつかあります。 

    ここでは代表的な3つの方法を紹介します。目的に応じて使い分けると、現状把握がぐっとしやすくなります。 

    測定方法 何を見るか
    NPS 顧客が他者に薦める度合い
    のれん 財務上のブランド価値
    リプレイス費用 同じ認知を得る出店コスト

    NPSで顧客ロイヤルティを測る 

    NPS(ネットプロモータースコア)は、このブランドを人に薦めたいかを0〜10で聞く指標です。具体的には9点と10点をつけた人を推奨者、0〜6点をつけた人を批判者とし、推奨者の割合から批判者の割合を引いて算出します。 

    顧客ロイヤルティを手軽に数値化できるため、多くの企業が取り入れています。なお、NPSはベイン・アンド・カンパニーなどの登録商標です。 

    のれんで財務価値に換算する 

    のれんは、企業の買収時に発生する超過収益力を表す財務上の項目です。ブランドの目に見えない価値が、ここに集約されると考えられています。将来の収益を現在価値に割り引くなど、いくつかの算定方法があります。M&Aの場面で使われることが多い考え方です。 

    リプレイス費用から逆算して測る 

    リプレイス費用から逆算して測るとは、知名度のない地域で今と同じ認知を得るのに、いくらかかるかを見積もる方法です。ゼロから築き直す費用から価値を逆算します。 

    アイデンティティの確立費用や、認知獲得のための広告費などを積み上げて計算します。直感的に理解しやすい測り方だと言えるでしょう。 

    ブランドエクイティを高めた企業事例 

    ブランドエクイティを高めた企業事例

    ここからは、ブランドエクイティを実際に高めた企業の事例を見ていきましょう。理屈だけでなく具体的な取り組みを知ると、自社へのヒントが見つかります。業種や規模は違っても、共通しているのは一貫した価値を顧客に届け続けている点です。 

    スターバックスは体験で差別化 

    スターバックスは、コーヒーそのものではなく、家でも職場でもない第三の居場所という体験を価値にしました。店舗の雰囲気や接客のすべてが、ブランド連想を形づくっています。 

    同社は2008年頃に利益が半減する窮地に陥ったことがありますが、その際CEOに復帰したハワード・シュルツ氏は「原点回帰」として全米7100店舗を一斉に半日閉店し、バリスタの再研修を実施しました。スタバらしさを取り戻すためのインナー・ブランディングを徹底したことで、同社は見事に再生を果たしたのです。 

    その結果、コーヒー1杯に数百円のプレミアムを乗せても選ばれ続けています。体験の積み重ねが知覚品質を引き上げた事例です。 

    参考:スターバックスを知る|スターバックス コーヒー ジャパン 

    無印良品はコンセプトで統一 

    無印良品は、あえて商品カテゴリーを絞らず、シンプルや自然というコンセプトをすべての商品に共通させました。カテゴリーを広げながらも、無印良品らしさという連想を保ち続けています。 

    このわかりやすさは海外でも受け入れられ、成長を支えてきました。コンセプトの一貫がブランド連想を強めた事例です。 

    参考:無印良品[無印良品からのメッセージ] 

    トヨタは品質と信頼で高評価 

    トヨタは、カンターが発表した2026年の日本ブランドランキングで、ブランド価値308億ドルとして首位を維持しました。前年と比べて8%の成長です。 

    同社はビジョンとして「可動性(モビリティ)を社会の可能性に変える」、ミッションとして「幸せを量産する」を掲げています。車ではなく幸せを量産するという強い志と、代替エネルギー車への先進的な投資や、品質と信頼性への高い評価が支えになっています。長年の積み重ねが評価につながった事例だと言えます。 

    参考:カンターブランドZ 日本ブランドランキング発表2026年のトップ50ブランド価値は2年で27%増 総額2,860億ドルに成長 | KANTAR JAPAN カンター・ジャパン 

    まとめ 

    最後に、この記事の要点を振り返ります。 

    • ブランドエクイティはブランドが持つ資産価値であり、プラスにもマイナスにも動く 
    • アーカーモデルは認知、知覚品質、ロイヤルティ、連想、その他資産の5要素で捉える 
    • 高めるとプライスプレミアムや指名買い、参入障壁といった効果が生まれる 
    • NPSやのれん、出店費用などで価値を測れる 

    まずは自社の現状をひとつの指標で測ることから、ブランドエクイティづくりを始めてみてください。 

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