Blog

インターナルブランディングは何年で定着する?300名調査で見えた「5年の壁」と、成功企業に共通する意外なキーパーソン

インターナルブランディングに関する実態調査2026年度版

「理念を発表したのに、現場が変わらない」

インターナルブランディングに取り組む企業の担当者から、よく聞く悩みです。

キックオフイベントを実施した。
社内報も発信している。
経営トップもメッセージを出している。

それでも社員の行動が変わった実感がない。

では実際のところ、理念や方針はどれくらいの期間で社員の行動として定着するのでしょうか。 

株式会社大伸社コミュニケーションデザインでは、過去5年以内に理念や経営方針を新たに掲げた企業に勤める会社員300名を対象に、インターナルブランディングの実態調査を実施しました。 

その結果、多くの企業担当者にとって興味深い2つの事実が見えてきました。

1つ目は、理念浸透には想像以上に時間がかかること。

そして2つ目は、その成否を左右するキーパーソンは社長だけではないということです。

多くの企業は「知っている」で止まっている

まず見えてきたのは、理念浸透の現在地です。

調査では、自社の浸透段階を

  • 認知
  • 理解
  • 共感
  • 行動
  • 週間

の5段階で回答してもらいました。

その結果、

Q1インターナルブランディング活動の「浸透フェーズ」の現在地

認知〜共感フェーズが72.4%

行動・習慣フェーズが27.6%

という結果になりました。 

つまり、多くの企業では理念や方針を社員が知り、理解し、共感するところまでは進んでいるものの、実際の行動や習慣にまで落とし込めていないのです。

行動変容が見え始めるのは2〜3年目

では、行動に変わるまでどれくらいかかるのでしょうか。

取り組み年数別に分析すると、興味深い傾向が見えてきます。

1年未満では認知・理解が中心。

一方で、2〜3年目になると行動フェーズへ進む企業が増え始めます。

多くの企業が期待する「社員の行動変容」は、半年や1年で実現するものではなく、数年単位で育てていくものだということが分かります。

定着企業が増えるのは5年以上

Q1「浸透フェーズ」の現在地/【取り組み年数】の比較

さらに注目したいのが、取り組みを5年以上継続している企業です。

この層では、

行動フェーズ 28.9%
習慣フェーズ 26.7%

となり、

行動・習慣フェーズが合計55.6%

に達しています。 

つまり半数以上の企業で、理念や方針が日常の判断や行動に定着している状態です。

今回の調査で最も印象的だったのは、この数字でした。

多くの企業は理念策定後1〜2年で成果を求めます。

しかし実態を見る限り、インターナルブランディングは短期施策ではなく、組織文化を育てる中長期活動として捉える必要がありそうです。

なぜ浸透しないのか?

では、なぜ多くの企業が「行動」まで進めないのでしょうか。

実は調査では、活動の目的そのものにも特徴が見られました。

Q2インターナルブランディング活動の「最重要目的」の現状

最も多かった目的は

方針・戦略の認知・理解促進」で24%。

一方、 「社員の行動変容の促進」は8%にとどまっています。  

つまり多くの企業では、

「知ってもらう」
「理解してもらう」

ことに力を注いでいる一方で、

行動を変える

ところまで目的化できていない可能性があります。

これは、72%認知〜共感フェーズに留まる結果とも重なります。

社長の発信より大切かもしれない存在

ここで、もう一つ興味深い結果があります。

インナーブランディングにおいて、「誰からの発信が有効か」を尋ねた調査です。

Q7インターナルブランディング活動の「効果的な発信経路」の実態

社員側で最も多かった回答は、経営トップ 45.0%でした。 

やはり社長の発信には大きな影響力があります。

しかし、本当に注目したいのはその次です。

調査では、管理職・直属上司も非常に高い評価を得ていました。

理念を浸透させるのは「翻訳者」

社長は、「なぜこの理念が必要なのか」を語れます。

しかし社員が本当に知りたいのは、「私たちの仕事で何を変えればいいのか」です。

その橋渡しをするのが直属上司です。

経営トップが方向性を示し、管理職が現場の業務に翻訳する。

この2つが揃って初めて、理念は日々の判断や行動へ落とし込まれていきます。

実際、調査でも効果実感の高い施策として、

  • 全社会議での定期発表
  • 人事制度との連動
  • 経営層との対話

が上位に挙がっています。 

単なる情報発信ではなく、

「意味を伝える」
「仕事につなげる」
「行動に変える」

仕組みが重要であることが見えてきます。

成功企業は「発信」ではなく「行動設計」をしている

今回の調査から見えてきたのは、インナーブランディングの課題が「伝わらない」ことではなく、「行動につながらない」ことに移っているという事実です。 

理念を発表する。

理解してもらう。

共感してもらう。

ここまでは多くの企業ができています。

しかし、

  • どう行動につなげるのか
  • 誰が現場に翻訳するのか
  • どんな制度や仕組みで定着させるのか

が、その先の差を生んでいるのです。

詳細調査レポートを無料公開中

今回ご紹介したのは調査結果の一部です。

調査レポートではさらに、

こんなことが分かります

  • なぜ72%の企業は「認知〜共感」で止まるのか
  • 推進担当者と社員で大きく異なる認識ギャップ
  • 行動変容に成功している企業の特徴
  • 効果実感の高い施策ランキング
  • KPI・効果測定で企業が直面している課題
  • インナーブランディングを前進させる3つのポイント

などを詳しく掲載しています。

自社の理念浸透施策を見直したい方は、ぜひ無料レポートをご活用ください。

【調査レポートをダウンロードする】

監修者情報

大庭 勇樹おおば ゆうき 

株式会社 大伸社コミュニケーションデザイン ブランド戦略&マーケティング部
2005年入社、営業から、マーケティングプロデューサー、ブランドコンサルタントへ変遷しながら、NTTドコモ、AGC、三菱マテリアルなど100社以上のクライアントのブランディング&マーケティング課題解決を支援。様々なクライアントの企業ブランディングや、製品ブランディングに従事する傍ら、自社のブランディング・マーケティング戦略の立案と実施の統括責任を担う。

Tags
Recent Posts

弊社関連書籍

手にとるようにわかるブランディング入門

好評発売中

CX-EX起点の
ブランディング
わかりやすく解説!

特設サイトへ

CLOSE