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ブランディングサイトとは?作り方やメリット、成功事例を紹介

ブランディングサイトとは、ブランディングの取り組みの一環として運用されるWebサイトの総称です。

本記事では、ブランディングサイトの概要や制作時のポイント、具体的な事例を分かりやすく解説します。ブランドの価値を正しく伝えて企業の魅力を高めたい方は、ぜひ最後までお読みください。

目次

    ブランディングサイトとは

    ブランディングサイトとは、ブランディングの取り組みの一環として運用されるWebサイトの総称です。

    顧客との接点を活用して一貫したメッセージを、Webサイト上で発信することで、理想的なブランドイメージを持ってもらうことを目指します。

    インターネットの普及にともない、消費者は購買行動を起こす前にオンラインで情報収集を行うようになりました。Webサイトを使ったブランディングは、現代社会において欠かせないアプローチとなっています。
    Webサイト内のブランディングに関わるコンテンツとしては、まずMVVP(ミッション・ビジョン・バリュー・パーパス)を伝えるページが欠かせません。さらに、自社ブランドステートメントを伝えるページや、自社ブランドのトンマナが統一されるために設定しているデザインガイドラインを伝えるページを設ける必要があります。

    ブランディングサイトの種類


    一口にブランディングサイトといっても、ブランドの戦略やターゲットごとに発信内容は異なります。ここでは、ブランディングサイトの代表的な4つの種類を紹介します。

    • コーポレートサイト
    • 製品・サービスサイト
    • 採用サイト
    • 周年記念サイト

    コーポレートサイト

    コーポレートサイトは、自社のアピールを目的としたサイトです。企業のMVVPやトップメッセージ、沿革、企業文化などを可視化した構成が特徴です。

    関連記事:コーポレートブランディングMVV策定〜インナー/アウターブランディング

    製品・サービスサイト

    製品・サービスサイトは、特定の製品やサービスの価値を伝えるためのサイトのことです。機能やスペックはもちろん、その製品ならではの特徴や、自社ならではの差別化された強み、いわゆるUSP(Unique Selling Proposition)を分かりやすく、魅力的に伝えていきます。同時に製品の購入を促していきます。

    採用サイト

    採用サイトでは、求職者に向けて自社の文化や働く社員の姿、価値観などを発信します。自社をより深く知ってもらい、良いイメージを持ってもらうことが目的です。

    周年記念サイト

    周年記念サイトは、創業や設立の節目となるタイミングで制作される記念サイトです。これまでの自社の歩みや感謝、これからの展望・ビジョンなどを社内外に発信します。

    ブランディングサイトでコンテンツを発信するメリット

    ブランディングサイトでコンテンツを制作、社内外に発信する具体的なメリットを紹介します。

    1. ブランドの認知が向上する
    2. ブランドの価値を端的かつ正確に伝えられる
    3. 顧客のロイヤルティが向上する
    4. コンバージョンを促進できる
    5. 中長期的な顧客獲得につながる
    6. 他社との差別化になる
    7. 採用活動にも効果を発揮する

    ブランドの認知が向上する

    ブランディングサイトでは、企業や製品・サービスの理念や価値を幅広く発信できます。ターゲット顧客に自社の存在を知らしめ、ブランドイメージを印象づける際に効果的です。

    検索エンジンからの流入が見込めるほか、SNSと連携すればより多くの流入が促進されます。

    ブランドの価値を端的かつ正確に伝えられる

    自社が運営するサイトはデザインの自由度が高く、社内で掲載内容をコントロールすることが可能です。広告やSNS投稿だけでは伝えきれない情報や企業の想いを、自由に表現できるのがメリットです。

    例えばサービスサイトにおいても、ただ製品を掲載するだけでなく、自社ならではの魅力や想い、社会貢献などを端的に伝えられます。

    トーン&マナーに合わせたビジュアルやコピー、ユーザー体験にこだわった設計により、ブランドの世界観を正しく伝えられるでしょう。

    顧客のロイヤルティが向上する

    ブランディングサイトは、ユーザーとの関係構築にも効果的です。ブランドが打ち出すミッションやビジョンに共感したユーザーは、製品やサービスだけでなく企業のファンとなり得ます。「この企業だから選ぶ」「応援したい」という感情は、リピートや紹介などの行動にもつながるでしょう。

    コンバージョンを促進できる

    ブランディングサイトを戦略的に設計することで、コンバージョン(CV)を促進することも可能です。SEOを意識した構造でサイトを管理すれば、検索結果で上位を獲得できるでしょう。

    そのうえで、製品ページから資料請求へ、社員の成長ストーリーから採用エントリーへの動線などを設計できます。ユーザーの関心を高めたタイミングで行動を促せることがメリットです。

    中長期的な顧客獲得につながる

    短期のコンバージョン(CV)だけでなく、中長期的な顧客獲得につながる点もメリットです。特にBtoBビジネスや高価格帯のサービスでは意思決定までに時間がかかることが多く、ブランド理解を深めるための接点が欠かせません。

    ブランディングサイトでインタビューやコラム、導入事例などを継続的に発信することで、SEOや認知の積み上げも期待できます。

    他社との差別化になる

    競合が多い市場においては、企業や製品の個性を明確に打ち出すことが重要です。しかし、競争が激しいほど、他社との差別化を図ることは容易ではありません。

    ブランディングサイトで「自社ならではの強みや価値観」を伝えることによって、市場での優位なポジション形成につながります。

    例えば、製品のスペックで大差が付きにくい場合も、開発に注いだ想いや課題解決の背景を伝えることで、価値を明確にできます。社員の声や誕生秘話などを通じて、価格競争に陥らない独自のポジションを築けるでしょう。

    採用活動にも効果を発揮する

    ブランディングサイトは、顧客だけでなく求職者への訴求にも大きな効果を発揮します。企業の理念や文化、社員の働く姿などを発信することで、求職者にリアルな魅力を伝えられます。社員インタビューや社内イベント紹介といったコンテンツを通じて、共感を醸成し「この会社で働きたい」という意欲を高めることが可能です。

    また、入社後のギャップを減らすことで定着率の向上にもつながります。さらに、企業のファン層からの応募が増えれば、広告に依存しない「選ばれる採用」を実現でき、採用コストの削減にも寄与します。このようにブランディングサイトは、顧客にも求職者にも自社の魅力を伝えられる、効果的な発信の場です。

    ブランディングサイトで発信するコンテンツの作り方

    続いて、成功するブランディングサイトの制作プロセスを5つのステップに分けて紹介します。以下の流れに沿って、発信するコンテンツを作りましょう。

    • ブランドコアの策定
    • サイトコンセプトの設計
    • デザインの設計
    • 制作・実装
    • 評価・改善

    ブランドコアの策定

    まずはWebサイトの運営方針を固めるために、ブランドコアを策定しましょう。ブランドのコアがすでにある場合は、現在の内容で問題ないかどうか確認します。

    ブランドコアは、上の図のように、以下の段階を踏んで策定する必要があります。

    • 顧客が望み、競合ができずに、自社ができることを把握する
    • 顧客も望み、従業員も理想とし、自社だからこそできる世界を描く
    • 理想と現状の自社とのGAPを改善するためにできることを考える

    ブランドコアをどのように策定すればよいかお悩みの場合は、弊社までご相談ください。


    御社のユーザーや社員のインサイトを把握し、思いをくみ取りながらブランディングプロジェクトをサポートします。ブランドコアの策定からWebサイトの設計を含む施策の検討など、コンサルティングだけでなく実行まで丁寧に伴走します。

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    サイトコンセプトの設計

    ブランドコアを軸に、Webサイトの「目的」「ターゲット」「伝えるべきメッセージ」などを明確にします

    例えば、目的が認知拡大なのか顧客ロイヤルティ向上なのかに応じて、キーメッセージは異なるでしょう。ターゲットの年齢・性別などによっても、伝えるべきストーリーやビジュアルの方向性は変わります。

    ターゲットのニーズや関心に合わせたサイトコンセプトの設計を行うことが、成果につなげるためのポイントです。

    デザインの設計

    ブランドの世界観を体現するために、Webサイトのレイアウトや配色、フォントなどを設計します。見栄えの良さだけでなく、訪問者がブランドの価値観を直感的に理解できるデザインが重要です。

    また、UI/UX(ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス)の観点からも、ストレスのない導線など使いやすさの設計を意識しましょう。

    関連記事:ブランディングデザインとは?実際の成功事例や考え方も解説

    制作・実装

    設計した内容をもとに、実際にサイトを構築していきます。コーディングするにあたり、下記のような準備も同時に進めておくとスムーズです。

    • Google Analytics、Googleサーチコンソールなどの計測ツール設定
    • サーバー・ドメインの整備
    • セキュリティ対策(SSLなど)

    Webサイトのデータは後から取得することが難しいため、制作段階での運用面を見据えた設計が重要です。場合によっては、SNSやYouTube、Googleビジネスプロフィールとの連携も考え、サイトづくりを進めます。

    関連記事:SNSブランディングとは?成功事例から学ぶ戦略と効果的な活用方法

    評価・改善

    ブランディングサイトの良いところは、訪問者のデータを計測して検証、改善できる点です。リリース後は必ず効果を測定して、改善につなげましょう

    例えば、以下のような指標をもとに効果を検証します。

    • アクセス数や滞在時間、直帰率
    • 問い合わせ件数・受注率
    • ブランド認知度の定性調査
    • SNSでのシェア数や反応

    数値目標(KPI)をあらかじめ設定して、定期的に振り返るのがおすすめです。

    ブランディングサイトを制作するときのポイント

    続いて、ブランディングサイトを制作するときのポイントを見てみましょう。

    • ペルソナの解像度を上げる
    • ブランドイメージの一貫性を保つ
    • 信頼できる制作会社に依頼する

    ペルソナの解像度を上げる

    まず重要なのは、「誰に向けたサイトなのか」を明確にすることです。ユーザー像があいまいなまま進めると、伝えたい情報がぼやけてしまい、訴求力の弱いWebサイトになりかねません。

    ターゲットとなるペルソナを具体的に設定し、年齢・職業・関心事・課題・行動パターンなどを深掘りしましょう。ペルソナの解像度を上げることで、構成・デザイン・トーンなどについて的確な判断ができるようになります


    関連記事:ブランディングでも重要なペルソナ設定。その解像度を上げるポイントとは?

    ブランドイメージの一貫性を保つ

    ブランディングサイトは、ブランドの世界観や価値観を伝える場です。制作の際はトーンやビジュアル、言葉の使い方に一貫性を持たせるようにしましょう

    フォントや配色、言葉の言い回しなど、細部まで統一することで訪問者にインパクトを与えやすくなります。社内向けに運用ルールをまとめたレギュレーションを用意すれば、関係者全員が方向性を共有できるためおすすめです。

    信頼できる制作会社に依頼する

    サイト制作を外部に依頼する場合は、ブランディングに対する理解が深く、実績のある制作会社を選定することがポイントです。

    制作会社を選ぶ際は、価格だけでなく以下の観点も確認しましょう。

    • ブランディング支援の実績があるか
    • コンセプト設計から運用まで一貫して対応できるか
    • 担当者とのコミュニケーションが密に取れるか

    弊社では、ブランドコンセプトの策定からビジュアル設計、サイト構築、運用支援までワンストップで対応しています。お気軽にご相談ください。

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    ブランディングサイトの成功事例5選

    最後に、ブランディングサイトの成功事例5選をまとめました。コーポレートサイトや周年記念サイトなどを幅広く紹介するので、参考にしてみてください。

    • KLASS株式会社|コーポレートサイト
    • シップヘルスケアホールディングス株式会|コーポレートサイト
    • トピー実業株式会社|製品サイト
    • 栄研化学株式会社|周年記念サイト
    • OREX|サービスサイト

    KLASS株式会社|コーポレートサイト

    KLASS株式会社は、畳製造・壁紙施工の省力化機器、厨房機器・各種メカトロ機器を製造販売する総合FAメーカーです。2021年から2023年にかけて、CI(コーポレート・アイデンティティ)再構築プロジェクトを実施しました。

    まずはCIに必要となる、MI(理念統一)、VI(視覚統一)、BI(行動統一)のうち、根本となるMIの作成を実施。そのうえで、Webサイトのリニューアルも含むビジュアルの統一を行いました。ブランドブックの制作なども実施しています。

    ブランディング活動の成果が実り、新社名やロゴに対する好意的な反応を得られた事例です。

    シップヘルスケアホールディングス株式会社|コーポレートサイト

    シップヘルスケアホールディングス株式会社は、1992年よりヘルスケア分野全般において多角的な事業を展開するリーディングカンパニーです。同社では、認知度向上を目的にWebサイトのリニューアルを実施しました。

    ブランディングの視点では、「ホールディングス企業としてブランドをどのように訴求すべきか」といった観点で分析をしました。

    分析の結果、TOPページのファーストビューでは、ターゲットユーザーに対して企業姿勢をビジュアルとして表現し、企業としてのメッセージ性を強く打ち出すことが大切であると判断しました。

    また、同業他社と他業界ホールディングス企業をベンチマーク分析したうえで、ユーザーニーズに基づくコンテンツと導線の設計を行いました。顧客向けには、事業や取り組みが分かるコンテンツを強化しています。投資家に対しては、IR情報サステナビリティページの拡充を実施しました。以下がリニューアル後のサイトのビジュアルです。

    これらの取り組みにより、ブランド認知の向上と使いやすさを両立したデザインを実現できた事例です。

    トピー実業株式会社|製品サイト

    トピー実業株式会社は、ホイールメーカーの専門商社です。「企業や製品の魅力がアピールできていない」という課題を抱えており、Webサイトのリニューアルを実施しました。

    これまでの導線を整理し、ブランドページや3Dシミュレーションなどの新たなコンテンツを拡充しました。また、事業コンセプトをロゴにすることで、社内外への浸透を促進させました。

    リニューアル後のアクセス数は8倍に上昇という成果を上げています。加えてリニューアル後のWebサイトは、営業ツールとしても積極的に活用されています。

    栄研化学株式会社|周年記念サイト

    医薬品の製造・販売や、検査装置の販売を行う栄研化学株式会社。同社では、創業80周年を記念して、特設サイトを制作しました。
    周年企画全体の目的やターゲットの整理を実施したうえで、これまでのブランドイメージから大きく変えたデザインを展開。「あきらめない人がいるから、医療は進化する」というメインコピーとともに、投資家や求職者、社員に対して、未来の会社のあり方を伝えています

    OREX|サービスサイト

    「OREX®」は、株式会社NTTドコモが手がけるOpen RANサービスブランドです。海外向け新事業のサービス内容が分かりづらく、潜在顧客へのブランド浸透や社内での共通認識醸成に課題がありました。

    そこで、まずはブランド構築の見直しを実施し、ネーミング、ロゴ、スローガン、ビジョン、世界観を策定しました。ロゴに関しては、当初2色のブロックでしたが、クライアントのインスピレーションに基づき、OREX®サービスの本質である多様性や柔軟性を採り入れた8色のブロックのデザインに変更しています。こういったロゴは、実際にサービスサイトでも使用されています。

    ▼OREX®サービスサイト
    https://ssw.web.docomo.ne.jp/orex/

    ブランディングの戦略設計から見直すことで、サービス認知度が向上した事例です。

    ブランディングサイトの制作なら大伸社コミュニケーションデザインまで

    本記事では、ブランディングサイトについて解説しました。

    ブランディングを意識したサイトの制作・運営では、ブランドコアを反映した設計にすることが大切です。見栄えの良いデザインや高品質なコンテンツを用意するだけでなく、一貫性のあるブランドメッセージを発信し、ターゲットとの信頼関係を築きましょう。

    しかし、自社にノウハウのない状態でブランディングサイトを制作することは難しいかもしれません。そういった場合は、プロのアドバイスを受けながら進めることがおすすめです。

    ブランディングサイトの制作なら、株式会社大伸社コミュニケーションデザインにご相談ください。

    • トータルなコミュニケーションデザインの提供
    • ユーザーインサイトの重視
    • クリエイティブなチーム
    • 先進的なVR・AR技術の活用
    • インナーブランディングの実施

    これらの強みを活かし、企業のブランド価値を高めるための効果的な戦略を展開しています。ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。

    3つの領域から、企業・プロダクトのブランディング支援を。

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