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エンゲージメントを向上するには?具体的な施策や成功事例を詳しく解説

エンゲージメントを向上するには?具体的な施策や成功事例を詳しく解説

「最近、離職者が増えていて困っている」「社員に元気がないが、何をすれば良いのか分からない」といった悩みを抱えてはいませんか。近年、人材の定着や組織の活性化を図るキーワードとして、エンゲージメント向上が注目を集めています。

この記事では、エンゲージメントの正しい定義から、向上させるための具体的なメリット、そして明日から実践できる手順までを詳しく解説します。

目次

    従業員エンゲージメントとは何か? 

    従業員エンゲージメントとは何か?

    企業が持続的に成長していくためには、従業員と企業との強い結びつきが欠かせません。従業員エンゲージメントとは、単に会社に所属している状態を超え、組織の目指す方向に共感し、意欲的に関わろうとする姿勢を指します。

    ブランディングの観点からは、インナー・ブランディングの成果として現れる重要な指標と位置づけられています。

    自発的な貢献意欲を指す 

    エンゲージメントが高い状態とは、従業員が「やらされている」のではなく、自らの意志で行動している状態です。企業が社会における存在意義(パーパス)を明確に示すことで、社内のモチベーションは自然と高まります。

    従業員一人ひとりが「なぜ、このブランドが世に存在するのか?」という根幹を理解し、その実現に向けて主体的に動くことが求められるのです。

    満足度とは根本的に異なる 

    よく混同されがちですが、従業員エンゲージメントと従業員満足度は異なる概念として捉えることができます。ブランディングが生む経営の好循環(サービス・プロフィット・チェーン)において、これらは密接に関連しながらも別のステップとして機能します。

    顧客に喜ばれ、自社の評判が向上する実感が得られることで、まず従業員エンゲージメントが向上します。その結果として、給料アップや環境改善などがもたらされ、従業員満足度が向上するというサイクルが生まれるのです。

    なぜエンゲージメント向上が必要なのか? 

    なぜエンゲージメント向上が必要なのか?

    エンゲージメントの向上は、単に職場の雰囲気を良くするだけではありません。企業の収益性や存続に直結する、経営上の重要な課題解決につながります。

    具体的には、人材の定着、生産性の向上、そして顧客への提供価値の最大化という3つの側面で効果を発揮します。

    離職率の低下に寄与する 

    少子化が進む現代において、人材の確保は多くの企業にとって深刻なテーマです。企業理念やビジョンが明確になり、従業員がそれに共感していれば、働く意義が明文化されます。

    その結果、組織への帰属意識が高まり、離職率を低下させることが可能です。理念に共感して働く従業員は定着率が高く、結果として人材管理コストの大幅な削減にも貢献します。

    労働生産性の向上を促す 

    従業員のエンゲージメントが高まると、業務に対する姿勢が前向きに変化します。自社のブランドコアが定まり、進むべき方向が明確になることで、従業員のスキルや生産性が向上するためです。

    これは個人の能力アップにとどまらず、商品やサービスの品質向上へと波及します。このように、従業員の意欲向上は、企業の競争力を高める原動力となります。

    顧客満足度の向上に繋がる 

    従業員の意識は、そのまま顧客へのサービス品質に反映されます。 あらゆる接点(タッチポイント)において、従業員がブランドの「らしさ」を体現することで、顧客体験の質が高まるからです。

    顧客エンゲージメントと従業員エンゲージメントは、相互に影響し合う関係にあります。従業員が誇りを持って働くことで顧客が満足し、その顧客の反応がさらに従業員のモチベーションを高めるという好循環を目指すべきでしょう。

    エンゲージメントを左右する要素とは? 

    エンゲージメントを左右する要素とは?

    従業員が会社に対して愛着や貢献意欲を持つためには、どのような要素が必要なのでしょうか。給与や待遇といった条件面も大切ですが、それ以上に「共感」や「成長」といった精神的な充足が重要視されています。

    ここでは、エンゲージメントを左右する主要な要素について解説します。

    企業理念への深い共感 

    最も重要な要素は、企業の掲げる理念やパーパスへの共感です。「なぜ、その事業を行うのか(Why)」という大義が腹落ちしていなければ、従業員は本質的に動くことができません。

    特にZ世代を中心としたこれからの人材は、就職先選びを「支持するブランドへの投票行為」と捉える傾向があります。社会的な存在意義が明確で、それに共感できるかどうかが、エンゲージメントの深さを決定づけるのです。

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    仕事を通じた自己成長 

    仕事を通じて自らが成長できるという実感も、エンゲージメントを高める要因です。たとえばユニクロを展開するファーストリテイリングでは、バリューの一つに「個の尊重、会社と個人の成長」を掲げています。

    企業が発展するだけでなく、そこで働く個人もまた成長できる環境であることが求められます。自分の能力が高まり、それが顧客や社会の役に立っていると感じられる時、従業員の組織へのロイヤリティは強固なものになるでしょう。

    心理的安全性の高い環境 

    自分の意見を否定されることなく、安心して発言できる職場環境も重要な要素です。上司や同僚との信頼関係が築けていれば、失敗を恐れずに新しいことへ挑戦する勇気が湧いてきます。

    風通しの良いコミュニケーションが活発に行われることで、従業員の組織に対する帰属意識は自然と高まっていきます。これらを意識して環境を整えることで、従業員が自発的に力を発揮したくなる組織へと近づけます。

    エンゲージメントを向上させる手順は? 

    エンゲージメントを向上させる手順は?

    エンゲージメントを高める活動は、インナー・ブランディングのプロセスそのものです。思いつきで施策を行うのではなく、段階を追って浸透させていくことが成功の鍵となります。ここでは、効果的な4つのステップを紹介します。

    手順1:現状を可視化する 

    まずは、企業の目指す方向性を全従業員で共有・認知する段階から始めます。ブランドブックやムービーなどのツールを活用し、会社の考えを「知る」機会を作ります。

     ブランディングは一部の人間だけでなく、全員に関わることであるため、もれなく伝える平等性が大切です。

    手順2:課題の優先順位を決める 

    次に、従業員が頭だけでなく心で理解し、共感する段階へと進めます。このフェーズでは、一方的な伝達ではなく、対話が重要になります。

    経営層との対話や部署内でのワークショップを通じて、現状の課題や自分たちがどうあるべきかを話し合います。トップが熱意を持って語り続けることで、優先すべき価値観を浸透させていくのです。

    手順3:具体的な施策を実行する 

    理解が進んだら、次はそれを「自分ごと化」し、行動に移すステップです。具体的な施策としては、個人やチームでの「宣言化」が効果的です。

    「自分は何を変えるべきか」を言語化し、イントラネットなどで全社に公開します。社員同士がお互いの宣言を確認し合える仕組みを作ることで、行動への責任感と一体感が生まれます。

    手順4:効果を振り返り改善する 

    最後は、行動した結果を評価し、称賛するステップです。 アワードなどを設立し、優れた取り組みを表彰することで、「もっとやりたくなる状態」を目指します。エンゲージメント向上に終わりはありません。

    定期的にアンケートなどで浸透度を測定し、施策を改善し続けることが、強い組織作りにつながります。

    事例:エンゲージメント向上の成功ケース 

    事例:エンゲージメント向上の成功ケース

    他社の優れた取り組みを参考にすることで、自社への導入イメージがより具体的になります。

    ここでは、独自の文化を確立している2社の事例を紹介します。

    スターバックスの事例 

    スターバックスは、徹底したインナー・ブランディングによって再生を果たした好例です。かつて急激な店舗拡大により「スタバらしさ」が失われかけた際、CEOのハワード・シュルツ氏は全店舗を一斉休業して研修を行いました。

    そこで重視されたのは、マニュアル的な教育ではなく、「スタバらしさとは何か」を従業員自身が考え抜くことでした。ブランドの原点に立ち返り、従業員が誇りを取り戻したことが、今日の世界的なブランド地位を支えています。

    サントリーグループの事例 

    サントリーでは、社員の挑戦を推奨する「有言実行やってみなはれ大賞」という制度を設けています。これはグループ全従業員を対象とし、従来のやり方にとらわれない新しい発想でのチャレンジを表彰するものです。

    このアワードの特徴は、単に数値的な成果が出たものだけでなく、失敗を恐れずに挑戦した姿勢そのものを評価する点にあります。イベント感のある演出で社員を巻き込み、楽しみながら参加できる場を作ることで、全社の士気を高めることに成功しています。

    参考:SUNTORY 人的資本レポート2025 

    まとめ 

    まとめ

    従業員エンゲージメントの向上は、ブランドを内側から強くする活動そのものです。企業が目指す「志」に従業員が共感し、自分ごととして行動できるようになれば、それは最強の差別化要因となります。

    大切なのは、従業員を管理するのではなく、共に未来を作るパートナーとして巻き込んでいく姿勢です。

    まずは自社のパーパスを明確にし、それに熱意を持って社内に語りかけることから始めてみてはいかがでしょうか。

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