VRとモーションコントローラーを使った研修、トレーニングの事例、メリットをご紹介

header-picture

こんにちは、後藤です。今回は、VRとモーションコントローラーを使った従業員向けの研修、トレーニングの事例、メリットをご紹介したいと思います。

後述するように、VRを活用したトレーニングには様々なメリットがあります。少し前までは、VRとモーションコントローラーを使ったトレーニングをするためには、ハイスペックのPCと外部センサーが必要だったため、導入のハードルが高く、どこでもできるとはいいがたいものでした。しかし、最近はOculus Quest など、モーションコントローラーに対応した一体型デバイスが登場したことによって、場所を選ばずにVRトレーニングを行う環境が整ってきました。

現在のコロナの状況下で、トレーナーとの非接触のトレーニングを実現することができます。VR機器を共有したくないという要望もあると思いますが、一体型VRが比較的安価になったことにより、一人ひとりに配布するということも考えられるようになりました。例えば、研修アプリをインストールした一体型VRヘッドセットを各店舗や工場に配布すれば、時と場所を選ばずに、さらにはトレーナーがいない場面でも、均質で効果の高いトレーニングを実施することができます。

 

手術トレーニング


 

最初にご紹介するには、Osso VR というVRを使った手術のトレーニング用システムです。既に月間1,000人以上の外科医に利用されており、20校を超える教育病院、トップ8社の医療機器メーカーで活用されているそうです。(※1)

世界的な患者数の増加と医師の不足により、研修医が十分な実戦経験を積むことが難しいという現状を解決するために開発されたサービスです。スコアを記録することで、研修者がどこを改善するべきかフィードバックを得ることができます。また、最新の医療機器や手技について、VR内で学んだり、レクチャーを受けたりすることを可能にするそうです。

UCLAによる比較調査では、従来の研修に比べて、230%もの効率化を実現することができたそうです。(※2) VRトレーニングの有用性が伺えます。

下のデモンストレーション動画をご覧いただくと、いかに本格的で実用的なトレーニングになっているかがわかると思います。

CGではありますが、一応閲覧にはご注意ください。

https://www.youtube.com/watch?v=p4vO64Y27JE

※1 https://www.roadtovr.com/osso-vr-training-surgeons/

※2 https://medicalsimulation.training/surgical/osso-vr-validation-study/

 

航空機整備トレーニング

 

 

VRコンテンツの制作を行うInlusion 社が航空サービス会社の Baltic Ground Services 社と FL Technics 社と協力して開発した、航空機の修理とメンテナンスに関するVRトレーニングシステムです。

特に航空機のメンテナンスに使用する液体などの資材は非常に高価で、1回の練習に掛かるコストが高いため、繰り返して練習することが困難です。さらに、誤った手順で機材を破損してしまった場合の、機材の交換費用は莫大なものになります。また、作業員には危険が伴います。このVRシステムはそれらの問題を解決するために開発されたそうです。

このシステムの興味深い特徴としては、通常のトレーニングモードに加えて、試験用モードがあるということで、そのモードでは、様々に発生するアクシデントに対して、臨機応変な対応を行うことが求められるそうです。

 

参考:

https://www.unrealengine.com/en-US/spotlights/beyond-the-manual-vr-training-on-aircraft-maintenance

 

調理トレーニング

 

KFCコーポレーション(ケンタッキーフライドチキン)が開発したフライドチキンの調理トレーニングVRコンテンツです。

鶏肉を調理して、部屋から脱出することが目標なのですが、なぜかホラーテイストになっています。当初、従業員専用として発表されたので、社内研修用のコンテンツということなのですが、あくまでもそういう設定になっているだけで、本当はプロモーションのためのコンテンツではないかとも思います。現在は、Oculus Storeから無料でダウンロードすることができるようになっており、モーションコントローラーを使ったVRにおける研修の可能性が実感できます。(※3)単調になりがちなトレーニングを、緊張感や目的を与えることによって、スリリングなものにすることができるのは、VRならではと言えるかもしれません。

※3 https://www.oculus.com/experiences/rift/1727232890655019/

 

VRとモーションコントローラーを活用したトレーニングのメリット

・機材の位置関係を含めて、体で覚えることで、高い学習効果が期待できる。

・場所や時を選ばず、トレーナーや被験者がいなくても実施することができる。

・均質な教育を提供することができる。

・目標を達成するまでの時間や、その正確性を記録することで、
 改善が必要な箇所を示すことができる。

・スコアや目標、報酬など、ゲーム的な要素を取り入れれば、対象者が楽しみながら
 繰り返しトレーニングを進めることができる。

・資材や食品が無駄にならない。

 

ビデオやテキストでの学習でも、均質な学習内容を提供することができますが、その分受動的になりやすく、高い効果が見込めないという問題があります。一方、トレーナーが教えるタイプであれば、高い学習効果を見込むことができますが、実施する場所や時間が限られ、学習効果もトレーナーの質に大きく左右されます。このように従来の研修方法ではそれぞれ一長一短というところがありました。しかしながら、VRトレーニングであれば、高い学習効果と均質性、双方のメリットを取り込むことができます。

さらには、患者の治療や、機材の修理など、実物で何度も再現することが難しい状況であっても、VR内であれば再現することができ、こちらもVRトレーニングの大きなメリットとなると思います。

 

最後に

弊社では企業向けに、VR の導入からVRコンテンツ、3Dモデルの制作まで、様々なソリューションを 提供しています。VRマーケティングへの活用については、弊社代表が下記、インタビューにて語っておりますので、是非ご覧ください。

https://venturetimes.jp/interview/attention/52266.html

VR/AR特設サイトでは、弊社が提供するメニューやそのメリットも詳細にご紹介していますので、興味のある方は是非覗いてみてください。

 

VR_AR_Site_Banner-1

Topics: VR・AR・CG


Recent Posts

事例紹介:製薬業界におけるCX変革のためのトレーニング

read more

2024年4月から合理的配慮の提供が義務化!WEBサイトユーザビリティとの関係は?

read more

人的資本経営を推進する企業の「採用戦略」として重要なこと

read more