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企業ブランディングとは?取り組むべき理由や手順を徹底解説

 企業ブランディングとは?取り組むべき理由や手順を徹底解説

自社の認知度を高めたい、競合との価格競争から抜け出したいと悩んでいる方に向けて、本記事では企業ブランディングの全体像を解説します。現代の市場において、単なる商品力やサービスの質だけで顧客に選ばれ続けることは容易ではありません。

そこで重要になるのが、企業そのものの価値を社会に伝える企業ブランディングの取り組みです。この記事を読み終える頃には、企業ブランディングの基本的な知識から実践的な進め方までを理解し、社内で具体的な施策を提案できるようになります。 

目次

    企業ブランディングとは?

    企業ブランディングとは、企業が持つ固有の価値や理念を明確にし、社会全体に対して共通のイメージを形成していく活動です。 

    具体的には、自社の存在意義や目指すべき未来像を言語化し、それに沿った事業活動を展開していくことを意味します。たとえば、環境保護に貢献するという約束を掲げた企業は、製品の製造過程やパッケージの素材選びにも一貫した姿勢が求められます。つまり、企業ブランディングとは、言行一致の姿勢を通じて社会からの共感と信頼を獲得する活動と言えます。 

    企業がブランディングに取り組むべき理由

    企業がブランディングに取り組むべき理由

    企業がブランディングに取り組むことには、以下5つのメリットがあります。

    • 競合との差別化
    • 優秀な人材の採用
    • 売上の増加につながる
    • 発信の届きやすさ
    • ファンによる宣伝

    1つずつ見ていきましょう。

    理由1.競合との差別化につながる

    ブランディングに取り組むと、競合他社との差別化につながります。
    ブランドが確立されることで、自社の価値が明確になるためです。

    例えば、Apple。
    MacBookなどはパソコンの相場よりやや高額にもかかわらず、購入する人が多いです。

    その理由は「ブランドが確立されているから」。

    まず、ブランド力によって「ノートパソコン=Mac」といったイメージが完成されています。

    加えて、フレンドリーな接客など、Appleならではの魅力も複数あります。

    これらがブランドの価値となり、ユーザーに評価されているため、独自の価格設定が実現。
    価格競争からの脱却に成功しています。

    つまり、特定のブランドイメージを抱いてもらうことで、高値で売りやすくなるのです。

    理由2.採用で人材が集まりやすくなる

    ブランド力が高まることで、ファンだけでなく優秀な社員も集まりやすくなります。

    ブランドである企業の価値が魅力的になると、「働きたい」と感じる人も増加します。

    希望者から応募してくれるなど、採用活動のコスト・時間削減につながるでしょう。

    理由3.売上の増加につながる

    ブランド力が高い企業は、発信内容をユーザーに受け入れてもらいやすいです。

    例えばノートパソコンにおいて、以下3つの製品があったとしましょう。

    • A社:国内シェアNo.1・知名度が高く、利用者も多い
    • B社:ブランド名の知名度は高いが、機能性はあまり知られていない
    • C社:認知度が低く、ほとんどの人がブランド名も機能も知らない

    上記の違いがあった場合、発信内容がもっとも受け入れられるのはA社。
    多くの人が知っている有名企業ゆえに、聞く耳を持つ人が多いのです。

    発信内容を聞いてもらえる状態になると、主導権もにぎりやすくなるでしょう。

    理由4.新製品やサービスがターゲットに届きやすくなる

    ブランディングは新製品やサービスをターゲットに届きやすくします。 

    ブランディングを通して特定のイメージを作ることで、新製品やサービスを発表したときも、自社商品であると瞬時に理解してもらうことが可能です。 

    発売までの宣伝活動におけるコストや労力など、削減できるでしょう。 

    理由5.ユーザー(ファン)自ら宣伝してくれる

    ブランディングでファンが増えると、そのファン自ら宣伝してくれます。

    自分の好きなものを広めようとする人が多く、口コミとして広がります。

    企業が宣伝活動をしなくても自然と知名度が上がり、新規ファンが増加。

    ブランディングが宣伝活動になり、新規ユーザー獲得のコストや時間を削減できます。

    企業ブランディングに取り組む手順 

    企業ブランディングに取り組む手順

    企業ブランディングは感覚に頼って進めるのではなく、体系的な手順を踏むことで確実な成果に結びつきます。ここでは、現状の把握から効果測定まで、具体的な8つの手順を解説します。 

    手順1:現状分析で自社の立ち位置を把握 

    まずは、自社が現在市場の中でどのような位置にいるのかを客観的に分析します。顧客からの評価、競合他社の強みと弱み、そして自社が持つ独自の経営資源を洗い出します。

    この段階で自社の実態を正確に把握できていないと、後の手順で設定する目標が現実離れしたものになってしまいます。市場調査や顧客アンケート、従業員へのヒアリングなどを通じて、多角的な視点から現状の課題と可能性を整理することが重要です。 

    手順2:ブランドのコンセプトを定義する 

    現状分析の結果を踏まえ、自社がどのような存在でありたいかというブランドのコンセプトを決定します。これは企業の根幹となる理念やビジョンを再確認する作業でもあります。

    自社が社会課題に対してどのように貢献していくのか、どのような価値観を大切にして事業を展開するのかを深く議論します。このコンセプトがブレてしまうと、後続のすべての施策で一貫性が失われるため、経営層を巻き込んで慎重に言語化を進める必要があります。 

    手順3:ターゲットを具体的に設定する 

    ブランドの価値を最も必要としているのは誰なのか、明確なターゲット層を設定します。年齢や性別、職業といった表面的な属性だけでなく、どのような悩みを抱え、どのような価値観を持っているのかという心理的な側面まで深く掘り下げます。

    ターゲットの解像度を高めることで、どのようなメッセージが相手の心に響くのかが明確になり、効率的なコミュニケーション戦略を立てやすくなります。すべての人に好かれようとするのではなく、特定の層に深く刺さる設定を心がけます。 

    手順4:ブランドの提供価値を言語化する 

    ターゲットが決まったら、その対象に向けて自社が提供できる具体的な価値を言葉で表現します。これは単なる商品の機能説明ではなく、顧客がそのブランドを選ぶことで得られる感情的な満足感や問題解決の姿を描き出す作業です。顧客に対して何を約束するのかを、わかりやすく力強い言葉に落とし込みます。

    ここで作成したメッセージは、後の広告活動や営業資料など、あらゆる顧客接点で活用される重要な資産となります。 

    手順5:ロゴやスローガンなどのVIを開発 

    言語化されたブランドの価値を、視覚的に伝わる形へと変換していきます。このプロセスをVI(ビジュアル・アイデンティティ)の開発と呼び、企業ロゴのデザイン、ブランドカラーの選定、名刺やウェブサイトの統一フォーマット作成などが含まれます。

    人間は視覚からの情報に大きく影響を受けるため、ブランドコンセプトとデザインに違和感がないよう細心の注意を払います。見た目の印象を統一することで、ブランドの認知スピードを加速させることができます。 

    【関連記事】ブランディングにおけるロゴとは?制作ステップや成功させるポイントを解説 | 大伸社コミュニケーションデザイン 

    手順6:社内へ浸透させる(インナーブランディング) 

    外部へ情報を発信する前に、まずは社内の従業員に向けて新しいブランドの方向性を共有します。従業員がブランドの理念を理解し、自分の業務にどう関係するのかを納得できなければ、日々の業務に落とし込むことはできません。

    社内報での発信や研修の実施、経営トップからの直接のメッセージなどを通じて、全社的な意識の統一を図ります。従業員一人ひとりがブランドの体現者となる状態を作り上げることが目標です。 

    【関連記事】インナーブランディング、本当に社員の心に響いていますか? – 社内を動かす隠れた戦略とは? | 大伸社コミュニケーションデザイン 

    手順7:社外へ発信する(アウターブランディング) 

    社内での準備が整ったら、いよいよ外部に向けたコミュニケーションを開始します。公式ウェブサイトのリニューアル、SNSでの積極的な情報発信、展示会でのブースデザインなど、あらゆる顧客接点で一貫したブランドメッセージを展開します。

    ここで重要なのは、媒体ごとに伝える内容がバラバラにならないようコントロールすることです。時間をかけて同じメッセージを繰り返し発信することで、徐々に顧客の頭の中に明確なブランドイメージが形成されていきます。 

    【関連記事】インナーブランディングとアウターブランディングの違いとは?成功のポイントも解説 | 大伸社コミュニケーションデザイン 

    手順8:効果測定と改善を繰り返す 

    企業ブランディングは一度発信して終わりではなく、定期的な効果測定と改善のサイクルを回すことが求められます。顧客アンケートを通じたブランド認知度の調査や、ウェブサイトのアクセス解析、採用の応募者数の推移などを指標として設定し、取り組みの成果を客観的に評価します。

    もし想定したイメージが伝わっていない場合は、メッセージの表現や発信媒体を見直すなどの軌道修正を行います。中長期的な視点でブランドを育成し続ける姿勢が重要です。 

    企業ブランディングに取り組むときの注意点 

    企業ブランディングに取り組むときの注意点

    企業ブランディングは大きなリターンをもたらす一方で、進め方を誤ると時間と労力を無駄にしてしまうリスクも伴います。ここでは、実務を進める上で陥りがちな落とし穴と、その回避策について確認しておきましょう。 

    経営層の理解を得ずに進める 

    企業ブランディングは会社全体の方向性を決定づける重要なプロジェクトであるため、現場の担当者だけで進めることは非常に困難です。経営層の深い理解とコミットメントがないままスタートすると、途中で方針が覆されたり、必要な予算が確保できなかったりする事態に陥ります。

    プロジェクトを立ち上げる段階で経営陣と十分な対話を重ね、ブランディングが中長期的な経営課題の解決にどうつながるのかを共有し、強力なバックアップ体制を構築しておくことが求められます。 

    短期的な成果ばかりを追い求める 

    ブランディングの施策を実行したからといって、翌月の売上が劇的に増加するような魔法の杖ではありません。顧客の認識が変わり、行動に変化が現れるまでには年単位の継続的な努力が必要です。

    短期的な数字の変化ばかりを追い求めてしまうと、効果が出ないと早合点して方針を頻繁に変更してしまい、結果的に何も定着しないという失敗に繋がります。評価指標には売上だけでなく、認知度の変化や採用への応募数など、多角的な視点を持つことが重要です。 

    一貫性のないメッセージを発信する 

    広告、ウェブサイト、営業資料などで発信されるメッセージやデザインがバラバラだと、顧客は企業に対して明確なイメージを抱くことができません。担当者や部署ごとに異なる解釈で情報を発信してしまうと、ブランドの輪郭がぼやけ、信頼性の低下を招きます。

    これを防ぐためには、言葉のトーンやデザインのルールを定めたブランドガイドラインを作成し、社内の全メンバーがそれに沿ってコミュニケーションを行う仕組みを整える必要があります。 

    社内への共有を怠る 

    外部に向けた見栄えの良いメッセージ作りばかりに気を取られ、社内への共有を後回しにしてしまうケースは少なくありません。従業員がブランドの理念を理解していないと、広告で謳っている素晴らしい対応と、実際の接客態度に大きなギャップが生じてしまいます。

    顧客は発信された情報と実際の体験のズレに敏感に反応し、期待を裏切られたと感じて離れていきます。アウターブランディングとインナーブランディングは常に両輪で進める意識が欠かせません。 

    ブランディングに成功した企業の事例

    「企業 ブランディング(とは)」写真3

    企業ブランディングの抽象的な概念を理解するためには、実際の企業がどのように取り組んで成果を上げているのかを知ることが有効です。ここでは、明確な理念を掲げて社会から広く支持されている以下3社の成功事例を紹介します。 

    • スターバックス
    • ヤンマー
    • 三菱マテリアル株式会社

    事例1.スターバックス

    スターバックスは「サードプレイス」という新しいコンセプトを取り入れることで、カフェ業界で確固たる地位を築いています。

    サードプレイスとは、自宅でも職場でもない、第3の場所のこと。
    人々が気軽に集まれる場所を意味し、くつろぎや楽しさを感じられます。

    もともとは社会学者であるレイ・オールデンバーグ氏の著書に登場する概念です。

    当時アメリカでは郊外化により、交流場所が減っていました。
    そこでスターバックスは、以下の施策を実施。

    • 長期滞在になるソファ席を用意
    • 滞在時間の制限なし

    上記の施策は、回転率が早くなるわけではありません。
    むしろ悪く、利益は上がりにくいです。

    スターバックスは回転率が悪くなっても、お客様の居心地の良さを重視しました。

    お客様同士が会話して交流することは少ないですが、各自好きな時間を過ごすことが可能です。

    サードプレイスとして新たな価値を提供したことで、人気企業に成長しました。

    事例2.ヤンマー

    ヤンマーは「プレミアムブランドプロジェクト」として、創業100年である2013年にリブランディングを行いました。

    ヤンマーがブランディングに取り組んだ背景は、「日本・アジア圏と欧米圏でのイメージ違い」。

    アジアでは農機具のイメージに対し、欧米圏では高級船舶のエンジンのイメージを抱かれているのです。

    そこで企業イメージをグローバルに統一するために、ブランディング施策に取り組みました。

    • 【ビジュアルアイデンティティの一新】
      新しいシンボルマークの作成:ヤンマーの「Y」とコーポレートカラーの「赤」
    • 商品デザインの変更:マセラッティのデザインなどを担当した奥山清行氏を起用
    • 農作業ウェアのデザイン:イッセイミヤケを手がけた滝沢直巳氏を起用

    ポイントは「主にデザイン面からブランディングに取り組んだこと」。

    ヤンマーの本質をとらえながら、新しいイメージをお客様や社会に明確に伝えることが意識されています。

    イメージを徹底的に統一することで、自社の価値をしっかりと伝え続けています。

    参照:fullthrottle「次の100年を見越したブランディング戦略(ヤンマープレミアムブランドプロジェクト)」

    事例3.三菱マテリアル株式会社

    超硬製品などの製造・販売をしている、三菱マテリアル 加工事業カンパニーのリブランディングに取り組みました。

    リブランディングの流れは、以下の通り。

    • ユーザー調査
    • ビジョン・ミッション:バリュー・ブランドコンセプト・ブランドメッセージの策定
    • インナーブランディング・アウターブランディングによる浸透

    まず企業がブランディングに取り組むときは、自社の価値や強みを明確にすることが欠かせません。

    そして価値や強みを伝える手段として、インナー・アウターブランディングのツールを作成します。

    実際に三菱マテリアル株式会社では、以下を制作しました。

    • ブランドロゴの作成
    • 展示会のデザイン
    • ウェブリニューアル
    • 情報誌「YOUR GLOBAL CRAFTSMAN STUDIO」の作成

    こちらもデザインを通して新たなブランドイメージを確立しています。

    詳しくは、事例「リブランディングプロジェクト(加工事業カンパニー)」をご一読ください。

    企業ブランディングとは自社の魅力的なイメージを伝えること

    2-min

    今回は、企業のブランディングについて解説しました。

    この記事の要点をまとめます。 

    • 企業ブランディングは企業が持つ固有の価値や理念を明確にし、社会全体に対して共通のイメージを形成していく活動である。
    • インナーブランディングとアウターブランディングの両輪で進めることが重要である
    • 現状分析からコンセプト定義、効果測定まで計画的な手順を踏む必要がある
    • 経営層を巻き込み、中長期的な視点で一貫したメッセージを発信し続ける 

    自社の隠れた強みや理念を改めて言語化し、今日から少しずつブランド構築への一歩を踏み出してみてください。 

    またブランディングについて相談したい方は「お問い合わせ」からお気軽にご連絡ください。 

    監修者情報

    大庭 勇樹おおば ゆうき 

    株式会社 大伸社コミュニケーションデザイン ブランド戦略&マーケティング部
    2005年入社、営業から、マーケティングプロデューサー、ブランドコンサルタントへ変遷しながら、NTTドコモ、AGC、三菱マテリアルなど100社以上のクライアントのブランディング&マーケティング課題解決を支援。様々なクライアントの企業ブランディングや、製品ブランディングに従事する傍ら、自社のブランディング・マーケティング戦略の立案と実施の統括責任を担う。

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