
一緒の目線に立って取り組めたから、
このクオリティが実現できたと改めて実感しています。
トピー実業株式会社 営業本部 自動車部品営業部 営業統括部
営業企画・推進グループ 兼 統括部 デジタル化推進グループ
担当課長 河野智之様(中央)
株式会社大伸社コミュニケーションデザイン
ディレクター/アートディレクター 鎌田佳幸(左)
Webデザイナー/コミュニケーションデザイナー 塗亜紗子(中央左)
Webディレクター / エンジニア 山田尚美(中央右)
プロデューサー 松戸慈瑛(右)
プレゼンでの熱意とブランディング視点での提案が採用のポイント
―アルミホイール特設サイトをリニューアルした背景を教えてください
河野様
弊社の中期経営計画でデジタル施策を強化するという方針がありまして、その一環として弊社のアルミホイールサイトのリニューアルを検討していました。約8年ほど部分的な改修しかしていなかったので陳腐化しているし、せっかく毎年プロモーションに予算を投じても全然リーチできていないというのが課題でした。

―サイトリニューアルのプレゼン当時のことは覚えていますか?
河野様
はい。皆さんすごい人数で弊社にお越しいただいて。それで熱量を感じたというのが第一印象です。いい戦略だなあと思いました(笑)。
松戸(DCD)
ここにいるメンバーや当時の私の上司も同席して、総勢7名ほどになっていたかもしれません。
河野様
しっかりと体制を組んでいただいているのだと感じました。
今回のプレゼンは6社ほどにお声がけしたのですが、ブランディングを含めた提案をしていただけたことが大伸社コミュニケーションデザイン(以下DCD)を選んだ理由でした。販売に繋がるコンテンツやユーザビリティについては各社から提案があったのですが、そもそもそれを弊社のサイトでどう表現していくべきか、ブランディングの観点を含めたサイトを求めていたんです。
鎌田(DCD)
トピー実業らしさをどう表現し、他社と差別化していくかという点は注力して考えました。あとはデジタルマーケティングを推進していく土台にしていきたいというご要望があったので、長く使い続けられる設計という点も意識しながらご提案しましたね。
それぞれの役割を超えてアイデアを出し合い、
一緒に悩めるチームでした
―今回、1年以上に及ぶプロジェクトとなりましたが、印象に残っていることはありますか。
河野様
まさに初めていらっしゃったときの印象通り、チーム一丸となって共創できたというのがこの期間を通して感じたポイントです。こういった制作をする場合、営業、ディレクター、デザイナー、それぞれ役割が決められていると思うのですが、私が悩んでいるポイントについて松戸さんが意見を述べてくれたり、山田さんが色々考えてくれたりと、それぞれの役割を超えて一緒に悩めた。DCDだけではなく私たちも含めてチーム一丸となれたと感じています。
山田(DCD)
ご提案時、まずは車好きのユーザーを身近で探し出し、どういうサイトを見ているのか、どこで情報収集しているのかなど、ヒアリングをいろいろしましたね。
鎌田(DCD)
御社にも事業やターゲットについて何度もヒアリングさせていただきました。 要件定義を終えた段階で、河野様から「認識変容」を起こすサイトトップにしたいというご要望を追加でいただきましたよね。

河野様
そうですね。最初は会社や営業部が求めているサイトにしようとしていたんです。でも、そこから完成形をイメージした時に、これだけで本当に面白いものになるかという疑問と危機感を感じたんですよね。今までの延長ではなく、サイトを見てくれる人も、自分自身も「マインドから変えていこう」という強いスタンスを持って目標を設定していきたいなと。
松戸(DCD)
この頃からみんなの目標が「変えていくぞ」みたいな方向に切り替わったなと思います。

河野様
ここから一気にギアが上がった感覚が私もありますね。
鎌田(DCD)
ギアが上がったと同時に、「先の見えない不安」もありましたね。ここできちんとチームが同じ方向を向く必要があると思い、キーワードやビジュアルの切り口をこちらでも試行錯誤していきました。
塗(DCD)
アルミホイールサイトのトップで、誰に対して何を訴求するのか、何を変えるのかを明確化しなければという想いがあったので、ホイールを通して変えたいことや楽しむことが何なのかを、ヒアリングさせていただいた記憶があります。
河野様
そもそもデジタル化推進グループという部署ができた初年度で、サイトの制作方法含めて知見がなく、全然言語化できない状況でした。いろいろ質問してもらうなかで、私たち自身もこうしていきたいんだという方向性を探していくことができました。コンセプトづくりからどのような工程を経てつくりあげていくのか、本当に勉強させて貰ったなと思いますね。
「CHANGE IS Fun!」という事業コンセプトも、皆さんとの話し合いがなければ、出てくることはなかったのかと。この経験は非常に貴重なものとなりましたね。
初めてコンセプトロゴを見た瞬間に「これだ!」と感じました
河野様
コンセプトロゴを「実は作っちゃいました」ってご提案いただいた時の衝撃は鮮明に覚えています。
松戸(DCD)
私たちも2、3時間くらい前に鎌田から聞いて。作っちゃったんですか? ではぜひご提案しましょうということになりました。
河野様
ロゴを見た時、「これだ!」と感じました。私も色々ロゴを作ってみて悩んでいたのですが、一瞬で吹っ飛びました。このロゴがあったから、動画や名刺につながりましたし、部門の統一メッセージとしてしっかりと展開できるようになりました。


塗(DCD)
私が記憶に残っているのは、ミーティングでの「社内でNGだと言われるくらいのものを出してください」というオーダーです。
河野様
そうですね。ぶっ飛んでくださいとお願いしましたね。
塗(DCD)
変化を楽しむことが伝わるよう、ダイナミックでちょっとワクワクするようなデザインを、トレンドも取り入れつつご提案しました。イメージしているものを資料として共有してくださったので、そこを基点としてどんなサイトにしたいのか、チーム一丸となって考えることができたように思います。
河野様
浮遊感を出したトップページはイメージ通りに表現していただけて、かなり気に入っていますね。 いいアウトプットってどちらかのアイデアだけでは生まれない。お互いのアイデアや意見を掛け合わせて作る方がすごいものが出来るということを心から実感させられました。
変わることの重要性を伝え、今までにない表現にチャレンジ
―部門を超えて注目が集まるプロジェクトで、プレッシャーも大きかったのではないでしょうか。
河野様
今回のサイトは自動車部門のサイトではあるのですが、社長から直々にトピー工業グループ全体の中で一番のウェブサイトにするようにとオーダーがありました。我々の業界はこれまであまり変化がない状況でやってきたので、変えることがいいことなのかという懐疑的な意見も多かったですね。
松戸(DCD)
「変化」を表現する手段として動画をご提案しましたが、なぜサイトのトップに動画が必要なのか、なぜアニメーションなのかを説明する資料をこちらでも準備させていただきました。最終的にはどのように社内でご説明されたのでしょうか。
河野様
ひとつは、競合と同じことをしていては勝てないという危機感、もうひとつはこれまでリーチできていなかった層にもアプローチしたいという考えを伝えました。
リアルなかっこよさが求められる業界において、アニメーションという今までとは異なる見せ方をすることで、それを見た方がホイール交換に興味を持ったり、コアユーザー以外の層にとっても何らかのきっかけになったりすることを期待しました。ホイールもあえて抽象的な表現にし、見る人にイメージを自由に膨らませてもらうという、逆転の発想に基づいています。
社長を動かした事業コンセプト、サイトは新たな営業ツールに
―アウトプットについて、社内外ではどのような反響がありましたか。
河野様
逆張りの発想の表現が最終的にはすごく良くて、アニメーション動画は社長が大絶賛でした。特に「CHANGE IS Fun!」のコンセプトはとても気に入られて、トピー工業グループの社長会で各社の取り組みを発表する会があるのですが、今回自動車部品営業部の取り組みを発表することになりました。その時のプレゼン資料の表紙を飾ったのも、このコンセプトロゴでした。
プロモーションという視点でいくと、他社がやっていないアニメの動画が珍しいみたいで、出版社とかウェブメディアからの反応がすごくありますね。取材させてほしいと声をかけてもらっています。
これまで、自社サイトを営業担当者が見る機会があまりなかったんですが、デザイン性が高いサイトだと、お客様にも見せたいという気持ちになるようで、ホームページや3Dシミュレータを使って積極的に営業するという今までにない動きも出てきました。今期からは営業全員にタブレットを支給し、このサイトを積極的に営業場面で活用していく予定です。

―今後の展開についても教えてください。
河野様
この1、2年は、今回の取り組みの活用と浸透にしっかり取り組むべきだと思っています。 サイトのアクセス数も伸びてきているので、これをさらに伸ばしていきたいと考えています。そのためには、まず社内で今まで全く使っていなかったサイトを、当たり前のように活用するレベルに持っていくこと。それに加えて、B to Bのお客様だけでなく、一般ユーザーの方々にどうすれば弊社のサイトに来てもらえるかが直近の課題だと考えています。
山田(DCD)
アクセス数はかなり伸びていて、去年と比べて1ヶ月あたりで8倍くらいまで増えています。製品情報が厚くなり、サイト自体の力がついてきたのと、UI/UXに優れていて有益な情報を提供しているという評価をしてもらえている結果だと思います。
ただ、同業他社と比べると、アクセス数はもっともっと伸ばせる余地があるので、今後もいろいろとご提案していきたいなと思っています。
松戸(DCD)
自社や競合状況、市場環境に合わせて、サイトも変化していかなければいけないと思っています。作ることが目的ではなく、売り上げを立てていくことが最終目的だということを忘れずに、今後も継続して運用をご支援していきたいと思います。