
プロセスを重視するDCDだからこそ、役員から社員までが
一丸となってブランディングに取り組むことができました
スーパーレジン工業株式会社
事業企画室 室長 大道達雄様(中央左)
事業企画室 室長代理 川本治様(中央右)
株式会社大伸社コミュニケーションデザイン
プロデューサー 佐野悠莉(右上)
クリエイティブディレクター 相馬由妃(右)
ディレクター 吉村英珠(左)
「社員の言葉を引き出す」DCDの提案に魅力を感じた。
本プロジェクトが開始された背景について教えてください。
大道様
元々MVVは存在していたのですが、上層部主体で策定したこともあり、社員の言葉になっていないことに課題を感じていました。また、1年半ほどマーケティング活動にも力を入れていて、発信も精力的に行っていましたが、自信を持って自社をアピールできない、手応えも感じられないという悩みがありました。そうした現状について社長も含めて話し合い、自社の軸であるMVVを改めて策定するべきではないか、という話があがったことで、ブランディングのプロジェクトが始まりました。
プロジェクトの開始が決定したのち、どういったきっかけでDCDにご依頼いただくことになったのでしょうか?
川本様
最初のきっかけは、東京ビッグサイトで開催されていたコンテンツビジネス総合展「コンテンツ東京」でした。マーケティングに課題感を持っていたため、何かヒントがないかと足を運んだところ、DCDの落ち着いたブースが目に止まり、佐野さんに話を伺いました。お話をする中で、前日に弊社社長の朝倉もブースに伺っていたと知り、縁を感じましたね。また、ガツガツと営業をかけられなかったことが好印象でした。「手に取るようにわかるブランディング入門」という書籍を出版していると知ったことで、さらに信用できる会社だと感じました。
佐野(DCD)
初めてお会いした時のことは私もよく覚えています。てっきり朝倉社長からご紹介いただいたのかと思っておりましたが、実は偶然だったんですよね(笑)。とても驚きましたし、偶然の出会いを非常に嬉しく思いました。 特に印象的だったのは、社長様自らが展示会に足を運んで、ブランディングの課題を赤裸々にお話ししてくださったことです。自社のブランディングについて真摯に考えていらっしゃることが伝わり、ぜひお力になりたいと思いました。また事業内容についても、はやぶさ2の構造体や太陽の塔の顔部分を作っていると知り、ワクワクしながらお話を聞かせていただきました。
展示会での出会いを通じ、その後、本格的にプロジェクトがスタートしていきました。当初DCDに対してはどのような期待をお持ちでしたか?
大道様
プロジェクトの開始にあたって、DCDと展示会で出会った会社様との2社で検討を進めました。実は当初、もう1社の方が良いのではないかと感じていました。ですが、私たちが最も期待していたのは「社員の言葉でMVVを作り上げていくためのどのような工夫があるか」。その観点で比べてみた時に、DCDのワークショップを通じたプロセスには非常に納得感があり、採用を決定しました。実際にワークショップで用いる手法を体験させていただいたことで、より一層社員の言葉をうまく引き出してくれるだろうと感じましたね。

相馬(DCD)
初めにお話をお伺いした際に、「社員が考え続けること、社員自らのマインドセットも含めた取り組みとなることが重要だ」と朝倉社長からもお聞きしていたので、社員様の言葉を引き出すことに重点を置いてご提案をさせていただきました。
ワークショップを通して、社員の言葉と社長の想いが詰まった価値のあるMVVが完成。
実際にプロジェクトがスタートし、MVVの策定にあたってワークショップを実施されましたが、どのような感想や反応がありましたか?
大道様
なかなか社員同士で集まって話す機会が少ないので、会社にとっても、社員にとっても、良い機会となりました。また、私自身の感想ですが、みんなが会社のことをしっかりと考えているんだ、と知る機会にもなりました。当初はなかなか意見が出ないのではないかと心配していましたが、DCDのファシリテーションもあり、意見がたくさん出たので、最終的にはすごくいいものができましたね。
相馬(DCD)
元々、参加された社員様のポテンシャルはものすごく高かったので、議論は活発でしたね。ただ、どうしてもMVVを作る際は差し障りのない言葉になってしまう傾向があるため、そこはファシリテーションでカバーをしていきました。「その言葉は、本当にスーパーレジン工業でしか言えないことですか?」「もし自分が経営者だとしたら、社員を目の前にして、このMVVを自信を持って伝えられますか?」と問い掛けることで、より自分ごととして考え抜いていただけたと感じています。
川本様
やはり、社員の言葉を引き出すのは非常に上手だなと感じました。また、ワークを行う前に提示された「島耕作になったつもりで考えてください」という例えもわかりやすく、考えやすい空気を作っていただけました。ワークショップが始まる前にアイスブレイクとして行った、自分自身を動物に例える自己紹介も、リラックスしてワークに取り組めた要因だと思います。そういったアイデアを引き出すための細かな工夫があったことで、議論が深まったんだと感じています。
2つのグループで実施し、最終的に出来上がった2つのMVVは、社員の皆さんの想いが込められたものになったんでしょうか。
川本様
そうですね。最後はできあがったMVVを社員自ら経営陣に発表してもらったのですが、みんな自信を持って発表していたのがとても印象的でした。経営陣も非常に納得していて、2つのMVVをベースにプロジェクトを進めるという合意を取ることができました。それくらいクオリティの高い、社員の想いが詰まった言葉を、ワークショップを通じて生み出せたのは本当に良かったです。

その後、顧客ヒアリングと役員ヒアリングを経て、統合ワークショップが行われましたが、これはどういった流れだったのでしょうか?
相馬(DCD)
役員ヒアリングを行った際に、社長様の想いも入れ込んで欲しいというお話があり、統合ワークショップをご提案させていただきました。初回のワークショップに参加してくださった社員様のうちの数名と社長様で、1つのMVVを策定するワークショップを実施しました。
大道様
社員の皆と作っていきたい、という当初の狙いが、この統合ワークショップで実現できましたね。
相馬(DCD)
ワークショップでは、社長様が入ると社員が発言しにくくなるケースもあります。ですがスーパーレジン工業様の場合は社長様自らが社員と作りたいという想いをお持ちで、当日も社員が意見を言いづらくならないような心遣いがあったため、とてもスムーズに進みました。我々の方でファシリテーションは行いましたが、MVVの言葉一つ一つは社員様から出てきたものからほぼ変更していません。当初から社長様が望んでいた、社員の言葉で、社員と共に作り上げる、ということが実現できたのは私も嬉しかったです。

最終的に出来上がったMVVに対する満足度はどれくらいでしょうか?
大道様
100点満点中の120点でしょうか。それくらい、予想以上に良いものができあがりましたね。社員の言葉を引き出してくださっただけでなく、他にも展開できる、非常に価値のあるアウトプットになったのでとても満足しています。
その後の浸透施策も、プロセスを重視する進め方だからこそ安心して取り組めた。
MVVが完成したのち、社内外への発信・浸透に向けてまず始めに着手されたのがクレドカードでした。こちらはどういった背景で取り組むことになったのでしょうか?
大道様
MVVをどのようにアウトプットするかご相談させていただいた際に、DCDのクレドカードを見せていただいたことがきっかけでした。当初はピラミッド型のMVVの図を作る予定でしたが、その図形の中だけに想いを留めたくないという社長の意見や、今までの黒色のイメージから脱却し明るい印象にしたいという想いもあり、クレドカードを制作することに決めました。

実際にクレドカードはどのように活用されているのでしょうか?
大道様
現在は毎朝部門ごとの朝礼で唱和したり、各社員がすぐに見られるように持ち歩いています。根気よく続けることで徐々に社内に浸透できればと考えています。

表紙の幾何学模様はHPや会社案内にも使用しており、統一感のあるデザインに
その後クレドカードだけでなく、MVVページの制作や会社案内の改訂を実施しています。アウトプットの制作にあたって、DCDに期待していた部分はどのような点ですか?
大道様
当初から、DCDはプロセスを大切にしてくださると感じていたので、アウトプットの制作もそこに期待をしていました。会社案内についても、営業が使いやすいものにしたいとご相談したところ、営業メンバーを交えたワークショップをご提案いただきました。また、現在進めている採用ブランディングも、役員ヒアリングを経てペルソナを策定し、そこに当てはまる社員にヒアリングをする、というプロセスを示してくれました。それぞれのフローでどんなアウトプットが生まれるのか、その後どう活用するか、ということを丁寧に示してくださるので、安心して一緒にプロジェクトを進めることができますね。
相馬(DCD)
DCDでは、アウトプットの質だけでなく、プロセスも重視しているのが特徴です。もちろん、いきなりアウトプットに変換することもできますが、プロセスを重視することで当初予想していなかった新たな提案につながることもあります。 採用ブランディングについても、MVV策定の際に実施した役員ヒアリングで、「人材獲得に課題を感じている」という意見が多かったため、弊社からご提案をさせていただきました。これまでのプロセスを知っているからこそのご提案ができるのは、私自身とても嬉しいですね。
大道様
プロセスを重視するメリットは、できあがったものを自信を持って発信できるという点にもあります。今回はすべてプロセスを重視して、理由があってアウトプットにつながっているので、何か質問されたり反論があっても、そうなった理由を自信を持って説明することができます。会社案内やMVVのWEBページに関してもそれは感じていますね。

会社案内改訂や、採用ブランディングの取り組みから、DCDの吉村もプロジェクトに参画させていただくようになりました。スーパーレジン工業様との案件における印象は何かありましたか?
吉村(DCD)
DCD社内でもスーパーレジン工業様のMVV策定の取り組みは話題になっていました。社員様の言葉だけでMVVができあがったことや、社長様と社員様がお互いを想い合った社風であることに魅力を感じていたので、とてもワクワクしながら参加させていただきました。
プロジェクトが始まって印象的だったのは、採用ブランディングにあたってのヒアリングで、社員様自身が楽しみながら誇りを持って働いているとお話しされていたことです。社員様自身が感じているスーパーレジン工業様の魅力が伝わるような採用サイトにしていきたいという思いが強くなりました。

相馬(DCD)
採用ブランディングだけでなく、スーパーレジン工業様とのお仕事はいつも新たな発見があり、回数を重ねるたびに好きになっていきます(笑)。ですので私も、スーパーレジン工業様のことをステークホルダーにより詳しく知ってもらうためにはどうすればいいのか、どうお手伝いができるのかをもっと考えていきたいという思いで取り組んでいました。
▼スーパーレジン工業様 企業理念ページ
https://www.super-resin.co.jp/company/philosophy/
▼スーパーレジン工業様 採用サイト
https://www.super-resin.co.jp/recruit/
今後もスーパーレジン工業の理解者として、DCDだからこその提案で伴走してほしい。
様々なアウトプットに展開されたということですが、効果を感じられている部分や今後の課題について教えていただけますでしょうか?
大道様
まだ始まったばかりですので、MVVの浸透度はまだこれからですね。今後さらに継続して活動していくためにも、様々な提案をいただき、共に考えていきたいですね。
川本様
浸透には時間がかかると思いますが、まずは諦めずに続けていくことが重要だと感じています。また、社外への浸透だけでなく、社内向けの浸透にも力を入れています。弊社は社員向けに毎月社内報を発行しています。この媒体を利用して、MVVを作り上げていくワークショップの様子やプロセスを順次紹介しました。既にMVVが決まってしばらく経ちますので、今はワークショップに参加したメンバーがMVVへの想いを語る連載企画を社内報に掲載しています。社員向けの媒体を活用して、社内浸透につながればと思っています。

大道様
さらに今いる社員だけでなく、今後新しく入社する方々にも会社の基盤を詳しく知ってもらいたいと思い、納品いただいた報告書やワークショップの風景動画をもとに資料を作成しています。
相馬(DCD)
とても良い取り組みですね。できあがったものを提示するだけでは、なかなか自分ごととして捉えにくいですが、実際に参加された方の声を掲載することでより響くものになると思います。
全体を振り返って、良かったと感じる部分はありますか?
川本様
やはり全体の流れが良かったですね。特に、DCDは担当者が頻繁に変わることがありませんでした。ですので、これまでの流れや背景など、私たちのことを非常に理解してもらった上での提案をいただくことができました。私たちがすべて言わなくともわかってくださっている部分があるのは非常に心強かったですし、相談しやすい関係性が築けたと感じています。
大道様
ワークショップの時の社員の熱量がすごく高かったというのも良かったです。最初が熱量高く始まったことで、社内でもそれを維持しながら進めていくことができましたね。
今後さらに浸透施策をはかっていく上で、DCDに期待することはありますか?
川本様
今まで通り、共に走っていきたいと思っています。今後どんなことができるか、とても楽しみですね。
大道様
今まで一緒にやってきた、私たちのことを深く理解してくれているDCDだからこそできる提案を期待しています。もちろんそれに頼りきりにならないよう、いただいたものを元にしながら共に考え、伴走していただきたいですね。
相馬(DCD)
私自身、ここまで長く伴走してきたことで、社員の皆様や大道様、川本様、社長様、そしてスーパーレジン工業様のことがとっても好きになっていきました。今後も様々な方にスーパーレジン工業様の魅力を知っていただくべく、私たちだからこそできる提案を行っていきたいと思います。
大道様
ありがとうございます。今後とも、ぜひよろしくお願いいたします。
