Works

インナーブランディング動画
「Dalton Spirits ~未来へのバトン~」

「テレビ番組風の対談動画」という今までにない提案で、
社内への「変革するダルトン」の発信と浸透が実現しました。

株式会社ダルトン 名誉顧問 矢澤英人様(中央左)
代表取締役社長 大舘洋一様(左)
※2024年11月取材時

株式会社大伸社コミュニケーションデザイン クリエイティブディレクター 井上浩一(中央右) 
プロデューサー 内山祐佳里(右)

実施前(課題)
  • 創業80年を超え、ダルトンの歴史や功績・スピリッツの継承が必要
  • 新中期経営計画のスローガンに挙げた「変革」に込めた想いを社員に伝えたい
  • スピリッツやビジョンの浸透を通して、従業員エンゲージメントを向上させたい
プロセス(解決策)
  • 「未来へのバトン」というコンセプトで、前会長と社長の対談動画形式を提案
  • 著名なアナウンサーをMCに起用したテレビ番組風の演出で、映像からも「変革」を
  • 若手社員を収録に観客として参加してもらい、社内への浸透促進を狙う
実施後(成果)
  • 期初の中期経営計画発表時に放映し、全社員に向けて共有
  • 社員と経営層とのコミュニケーションが活性化
  • アウター向けの採用動画として二次活用

新中期経営計画のキーワード「変革」を軸にした対談動画のご提案

本プロジェクトは、従業員エンゲージメントの向上を目的とし、弊社にご相談をいただきました。当初ご提案した内容に関して、弊社の井上から簡単にご説明をさせていただきます。

井上(大伸社コミュニケーションデザイン、以下DCD)
ご相談いただいた当初より「社長が一方的にメッセージを発信する堅いものではなく、より社員に伝わる今までにない動画を作ってほしい」というご要望をいただいておりました。そこで、映像からも新中期経営計画のスローガンである「変革」感のあるご提案を心がけました。ただし、今回の大きなテーマは「従業員エンゲージメントの向上」と理解しておりましたので、理解度(Rational)/共感度(Emotional)/行動意欲(Motivational)を意識し、1本の映像を通して、社員一人一人が自発的に会社に貢献したいという気持ちになれるストーリー構成を意識してプランニングを行いました。

企画・演出上のポイントは大きく3点です。
1点目は、「未来へのバトン」というコンセプトをもとにした、創業家と社長による対談動画形式を採用したこと。当初は、社長様単体でのインタビュー動画も検討しておりましたが、ブランドの継承という観点からも創業家の矢澤顧問にもご協力いただき、これからの未来を託す大舘社長にバトンを繋いでいくような対談形式が最適なのではないかと考えました。
2点目は、元日本テレビアナウンサーの小熊美香さんをMCに起用したテレビ番組風の演出です。誰もが知っているアナウンサーの方に自社の経営者がインタビューされていること自体、自ずと関心は高まりますし、何より映像からも新中期経営計画のスローガンに挙げられている「変革」を感じとってもらえるのではないかと考えました。
3点目は、社員参加型によるイベント性の付与。収録当日に若手社員に観客として参加いただき、経営層の対談をライブで体験してもらうことにしました。また、収録の最後には経営層に対する質問コーナーも設けました。社員の皆様には、ここでの体験や感情を社内に持ち帰って浸透させてもらいたいという、いわば「伝道師」としての役割も期待しました。
こうした企画・演出によって、社員の方々が自社に誇りをもってもらえることをイメージしながら制作にあたりました。

内山(DCD)
今回の映像は、新中期経営計画で発表されている「変革」というキーワードを強く意識しています。今までのダルトン様からどのように変革をしていくかを今回の動画で表現できればと思っていました。

弊社からのご提案に対して、どのような感想を抱かれましたか?

大舘様
おっしゃる通り、動画のご提案をいただいた時期はまさに新中期経営計画を策定し、「変革」という言葉を打ち出した時でした。「変革」と言っても、実際に形にする機会はなかなか少なく、丁度発信の場が欲しいと感じていました。そんな中、対談テレビ番組風という今まで取り組んだことがないような企画をいただいたので、変わっていくダルトンを社員に見せられると感じ、ぜひこの企画で進めたいとお返事をさせていただきました。

矢澤様
テレビ番組などでこういった対談の企画はよく目にしますし、メッセージ動画自体もこれまで色々撮影された経験はあったのでイメージはしやすかったです。ただやはり、社員が同席するとなると、身が引き締まる思いもありました。今までそのような場面はなかったため、新鮮で良い機会だなと感じました。

会社が目指す方向性や、今後のダルトンへの「想い」が伝わる対談動画に

実際に完成した動画を見て、どのように感じられましたか?

大舘様
映像を見返してみると、最後の社員からの質問コーナーはやはり難しかったと感じました。その場でしっかりと回答したつもりではありますが、実際に社員にどれくらい伝わったのかがわからず、正直不安でした。ぶっつけ本番の現場でものを伝える難しさを実感しましたね。

内山(DCD)
収録の後、社員の方とお話をされる機会はありましたか?

大舘様
はい、いろんな社員からフラットに声をかけられるようになりました。仕事の話はもちろんですが、それだけでなく趣味のバイクの話などもするようになりましたね。この動画は間違いなく、コミュニケーションのきっかけの一つになったと思います。

内山(DCD)
今回の動画の狙いの一つでもあった、「大舘様のお人柄を社員にもっと知ってもらう」「共感や親近感を醸成する」という目的が達成されたのは、とても嬉しいです。

他に変化を感じられた点はありますか?

大舘様
変化という意味だと、この動画自体が変化ですよね。今回この動画を全社員に向けて発信しただけでなく、その一部を採用活動に活用したりと、様々な活動につながっています。そういったきっかけ作りになったというのも変化ですね。

動画の中で何か意識されていた点はありますか?

矢澤様
この動画では、これまでのダルトンを私が、この先の未来を大舘さんが話す、という役割分担でした。似ているようで異なる役割だったので、あくまでも未来の話が中心となるよう、私は控えめに話をしようと意識していました。

大舘様
ただ、矢澤さんのパートは、中途や新卒でまだ社歴の浅い社員が、改めてダルトンの歴史を振り返る良い機会になったと感じています。私自身改めて振り返ってみて、ダルトンのアイデンティティや企業文化がとてもわかりやすくまとまっているなと思いました。

矢澤様
今まで言語化してこなかったことが、わかりやすくビジュアルになっていたのは良かったですね。

井上(DCD)
やはり「変革」を遂げるには、今までの積み重ねが重要になってきます。そこを踏まえて対談形式をご提案させていただきました。歴史の中でもターニングポイントとなったエピソードを矢澤様からお話いただけたことで、ダルトン様としての歩みやスピリッツを改めて伝えられる内容となったのではないかと思います。

【ダルトン】DALTONのあゆみ
https://www.youtube.com/watch?v=fIsMC22HVOc

DCD側で進めるにあたって意識していた点はありますか?

井上(DCD)
弊社はこれまで、総合カタログやコーポレートサイト、CI/VIなど幅広くダルトン様をご支援させていただいてきました。そのため今回の動画では、これまでの御社に対する深い理解をベースにしつつ、どうすればこの素晴らしいブランドの想いを社員様に発信・浸透できるか、使命感のようなものを持って取り組ませていただきました。

内山(DCD)
私の方では、矢澤様と大舘様の「想いを伝える」という部分を大切にしていました。 ご相談いただいた時期は、大舘様が社長にご就任され、80年の歴史や功績、ダルトンがこれまで積み上げてきたものを継承し、10年先20年先もお客様と共に発展していく会社として変革に取り組んでいきたい、というタイミングでもありました。ですので、この動画を通してお二人の想いが社員に伝わり、未来に向けての変革のビジョンが腹落ちできるものになればと思っていました。

矢澤様
我々だけがやる気になって、後ろを見たら誰もついてきていない、という事態は避けなければいけませんからね。

内山(DCD)
そうですね。全社員で同じ方向を向き、あるべき姿に走っていく、そのきっかけになればという思いがありました。

大舘様
難しいですよね。なかなか今まで取り組めていなかったですし、どこに向かうべきかという方向性が見えてないと、目の前の目標をただただ達成することに精一杯になってしまいます。もっと長いスパンで今後のダルトンについて伝えていく必要があったので、そこを汲み取ってもらえたのはよかったです。

実際の動画に対しての社員の反応はどのようなものでしたか?

大舘様
社員も参加して作った動画を、全社員に向けて披露するという機会は初めてだったので、特に社歴の長い方には新鮮だったかと思います。期初の全社朝礼で今回の動画を共有したのですが、変革のスローガンに込めた想いを、全社員に共有できる良い機会になりましたね。いつもと少し違った雰囲気の全体朝礼で、社員の印象にも残るものになったと感じます。

内山(DCD)
社員の方々が、会社の進む⽅向性を具体的に理解し、腹落ちし、共感につながっていると良いなと感じます。帰属意識や誇り、愛着、という共感の想いをもってくれているか、などは、定期的に行われている社員エンゲージメント調査で成果が出ると嬉しいですね。

社員任せにしない、社内外への積極的な発信が今後さらに重要に

対談動画の中でも、社内外への発信の重要性について触れられていたのが印象的でした。改めて企業が発信を行うことに関して、どういったお考えをお持ちでしょうか。

大舘様
今、世の中はものすごい速さで変化しています。そんな中で今後我々は、大事にしているものは残しながらも、世の中の変化に対応していかなければなりません。10年後も生き残る会社になるには、経営層も含め社員全員が同じゴールを共有し、社員一人一人、自分がそこにいる姿を想像でき希望のあるビジョンでなければならないと思っています。また、我々がお客様と同じ方向を向いて、ともに発展できる会社であることを示してくことが特に重要だと思っています。そうすることで、社員一人一人に共感してもらい、社員エンゲージメントを向上させ、それによって顧客へのサービス向上につなげ、顧客満足度を高めていく、という正のスパイラルを起こしていきたいですね。

内山(DCD)
企業のブランド価値を高めていくにあたっては、社員の方がどれだけ自社に愛着を持っているか、誇りを持って自社を育てていこうとしているかが重要ですよね。

大舘様
そうですね。社員自身が、自分たちの仕事は社会に貢献できる、と誇りを持つことが重要です。実際に、ダルトンはそういう想いを持てる会社です。ですが、社員一人一人がその想いを自覚しないと強い組織にはなりません。働いていることに誇りを持つ社員が増え、そんな社員がお客様と接することで他社との差別化につながる。そうなるためには、個人任せにするのではなく、我々から発信して社員に伝えていくこともとても大事だと考えています。

内山(DCD)
対談動画でも、大舘様が「変革を遂げるために、みんなと一緒に新たなダルトンを作っていきたい、一人一人の意見を教えて欲しい」とおっしゃっていたのが印象的でした。実際に、まずは管理職社員様と1on1でミーティングを実施されたんですよね?

大舘様
はい、約100名の社員と面談を行いました。その結果、それぞれが多くの課題を持っていながらも、課題と感じている部分が対照的であるケースもあり、社員のベクトルが揃っていないことも実感しました。社員が会社と同じ方向を向くためにも、今後さらにインナーブランディングは必要だと、再認識する機会になったと感じています。

今後、幅広い業界で更なる認知度を高めていくための発信へ

今後の展望などはございますか?

大舘様
研究からものづくりまで、幅広い事業を展開する中で、それぞれの分野で存在感を発揮していける企業になりたいと思っています。事業の総合力を高めていくだけでなく、各分野でダルトンが力を発揮し、お客様が何か悩まれた時に真っ先にダルトンに相談したいと思える企業に成長していきたいですね。
また、新卒で入社した社員は、元々ダルトンのことを知らなかったという方がほとんどなのが現状です。将来的には、ダルトンを知った上で志望してくれる方が増えればいいなと思います。

矢澤
実現するのは大変かもしれないけれど、本当にそうなるといいですよね。メインの3事業をさらに強化し、人々の生活の中で身近に感じてもらえる存在となればと思います。

そういった認知度を上げるためにもやはり発信は重要になってくるかと思いますが、そういった発信の面でDCDに期待されることはありますか?

大舘様
我々だけで発信方法について考えたり、キャッチしていくにはどうしても限界があると思います。ですので、その時々でどんなものが有効か、プロの目で的確にご提案していただきたいと思います。 また、今回の動画も含め、制作したものは今後陳腐化する恐れがあります。制作だけでなく、その後どう更新していくべきかなど、見せ方・伝え方をアドバイスいただければ嬉しいです。

内山(DCD)
ありがとうございます。今回の取材も含め、露出を高めることは認知度向上のきっかけにもなると考えています。今後効果的な発信方法については、ぜひ我々からご提案をさせていただければと思います。

大舘様
特に、我々側にはない、見る側の視点に立っていただけると嬉しいですね。これまで、お客様に対し専門的な内容をお話ししていましたが、実際に求められていたのはキャッチーで一目でわかりやすいものであった、というケースがありました。見せ方も含めてそういった視点でのアドバイスをぜひお願いいたします。

井上(DCD)
御社は、すでに多くの独自性のある魅力的な事業活動を行われています。特に日本のBtoB企業様に言えることでもありますが、自社が当たり前と思ってやっている事業活動が、実は世の中からすると非常に価値のある取り組みであることも少なくありません。今後はそれらをいかに、外への発信へと意識を向けられるかが重要だと思います。そういった点で、今後我々がご支援できることとしては、御社の価値ある取り組みを、ユーザーや世の中が求めるニーズにマッチさせ、いかに伝わる形にするか、そこにはコンセプトやデザインといったクリエイティブの力がお役に立てるものであると考えております。御社のブランドステートメントである「創造の、共創へ。」に向け、引き続き弊社も価値創造の共創パートナーとしてご支援できれば幸いです。

【ダルトン】DALTON SPIRITS を紐解く(未来へのバトン)
https://www.youtube.com/watch?v=yW8NJHjrztw

担当範囲

動画制作

制作範囲

企画、演出、撮影、編集

実施期間

2023年7月〜2023年10月

当社にご関心をお持ちいただき、
ありがとうございます。
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Project

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