制作プロジェクトでありがちな悩み
「修正がいつまでも増える」「確認が増えて進まない」
これは制作会社側だけではなく、社内回覧の際にも広告宣伝ご担当者さまが頭を悩ますことだと思います。
この問題は、合意形成の仕組みが曖昧なことに原因があります。

この記事では、広告宣伝ご担当の方にも分かりやすく、
制作側PMの立場からプロジェクト推進という視点で
合意形成の考え方をご紹介します。

修正は「意見」ではなく「判断」の結果

修正が増えるのは、誰かの好みや意見の問題ではありません。
デザインや文章の修正は、目的に沿った判断によって生まれます。

例えば「読みやすくしたい」という要望も、
・情報量を減らす
・文字サイズを大きくする
など、複数の解釈が可能です。
このとき必要なのは、同じ判断軸を共有することです。

合意形成とは「意見をそろえること」ではなく、
「同じ基準で判断できる状態をつくること」と考えると分かりやすいです。

判断軸を言語化しておく

修正が終わらない案件の多くは、最初に「OKの基準」が曖昧です。

例:
✕「わかりやすくする」
◎「初めて見る人が10秒で商品特徴を理解できる構成にする」

このように具体的な判断軸を定めることで、
修正依頼が「好みの議論」ではなく「目的達成のための選択」に変わります。

誰が最終判断するかを決めておく

制作では複数部署が関わることが多く、
それぞれが正しい意見を持っています。
しかし全員の意見を無理に反映しようとすると、
修正は無限に増えてしまいます。

解決策はシンプルです。最終決定者をあらかじめ決めておくこと。

例:
・ブランドのトーン → 広告宣伝部が最終判断
・製品情報の正確性 → 製品部が最終判断
・価格・条件 → 営業部が最終判断

こうしておくと、議論は「誰の判断に沿うか」に集約され、
修正の無限ループを防ぐことができます。

修正ルールを前もって共有する

さらに効果的なのが、プロジェクト開始時に修正ルールを明文化することです。
・修正回数の上限(例:3回まで)
・骨子や構成の大きな変更は別スコープ扱い
・口頭での依頼は確定扱いせず、文書化で確定とする

このルールを事前に共有しておくと、みんながその意識で確認を進めることができます。

まとめ:合意形成は「お互いを守る仕組み」

修正が増えるのは、構造的な問題です。
PMとしては、次の3点を意識しておくとスムーズに進行できます。

  • 判断軸を言語化する
  • 最終決定者を明確にする
  • 修正ルールを前もって共有する

この仕組みを取り入れることで、
過剰対応によるコスト増加を避けられ
「いつの間にか納期が延びた」というストレスも避けることができます。

つまり、安心してプロジェクトを進められる状態を作ることが合意形成の目的です。