日本でもすっかり定着したリモートワーク。私の職場では、リモートワークがすっかり標準となりました。場所の制約がなくチームが組める、移動時間がなくなって効率的な働き方が実現するといった一方で、時にはチーム運営がうまくいかないと感じるようなことはないでしょうか。
私も画面ごしの会議では雑談が難しく、メンバー間の信頼関係が築きづらいと感じることがあります。
今回はそんな課題を解決する、リモート環境下のチームビルディングにおけるポイントを紹介いたします。

1,「コミュニケーションの量」を意識的に増やす

リモートで対面で得られていた非言語情報(表情や空気感)が失われます。これを補うためには、「量」を意識した高頻度・短時間のコミュニケーションが効果的です。

チャットツールでのコミュニケーション例

  • 就業報告:始業開始や終了時にチャットでの報告を必須にしましょう。その際に「今日も頑張ろう」「お疲れ様でした」という挨拶や絵文字を入れるだけでも、つながりを感じられます。
  • 雑談チャネルの活用:仕事の進捗とは別に、「雑談チャンネル」「感謝を伝えるチャンネル」などを設けて、気軽に感情を共有できる場を作ります。また、知識や学びの共有に特化したチャンネルを作り、メンバーが最近読んだ本や記事の感想を共有し合うのも有効です。

オンライン会議ツールでのコミュニケーション例

  • チェックイン:会議のはじめに、会議参加者からコメントを求める。会議参加者が多い場合は、今の気持ちを絵文字で表現するなど、全員がリアクションできるようなアクティビティを用意すると、会議の空気も和らぎます。
  • ひなたぐちワーク:対象者を決め、他のメンバーが対象者の良いところや貢献についてひたすら褒め合います。一度私のチームでも行いましたが、モチベーションアップ・信頼関係にもつながりました。
  • オンラインランチ:会社で出社した時のように、オンラインでもランチに誘ってみませんか?私も最近リアルで会えていない同僚と最近はまっていることや、仕事以外のカジュアルな話題で盛り上がり、距離が縮まるのを感じました。フードデリバリーを活用して、同じものを食べながら交流するのもおすすめです。

2, リアルコミュニケーションの機会もつくろう

リモートだけではなく、リアルでのコミュニケーションは、信頼関係を築くのに不可欠な要素です。対面での交流は、言葉では表現できない情報交換や、偶発的な雑談を生み、チームの絆を強固にします。

  • オフサイトミーティングや懇親会:遠方でチームを組む場合も、ぜひ予算を組んでリアルで顔を合わせる機会を計画しましょう。年に1回でも、その効果は絶大です。
  • アクティビティの活用:リアルでのMTGをチームで実施する場合は、定期的に、みんなが参加できるアクティビティを取り入れてみましょう。普段の業務では見えないお互いの個性や強みを再発見できるチャンスにもつながります。

3, 振り返りと継続の仕組み

上記のような取り組みも、取り組んだだけではなく、その効果を測定し、改善を続けることが重要です。
チームビルディングを考えるにあたって、上記のようなアクティビティやコミュニケーションでメンバーが満足しているかどうか、何かモヤモヤと抱えていることはないか、を定期的に確認する仕組みを作りましょう。

  • アンケートの実施:「チームの一体感」「意見の言いやすさ」など、心理的安全性に関する簡単なアンケートを定期的に実施してみましょう。アンケートでは数値に表してみると、変化がわかりやすくなります。
  • KPTのふりかえり:チームビルディング施策後、「良かった点(Keep)」「問題点(Problem)」「次に試したいこと(Try)」を話し合ってみましょう。チームでのコミュニケーションのあり方をみんなで話し合うよい機会となります。

楽しみながらチームを育もう

リモートワークにおけるチームビルディングは、あれば良いというものではなく、チームの生産性と定着率を左右するマネジメント事項です。
PMとして、コミュニケーションの機会を意識的に設けて、無理なく楽しみながら、チームの「つながり」を育てていきましょう。きっと距離は遠くても、協力しあえる強いチームを築くことができます。