展示会レポート:「ウィム・クロウエル グリッドに魅せられて」

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こんにちは!デザイナーのカツラガワです。今回は、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催されている企画展「ウィム・クロウエル グリッドに魅せられて」についてご紹介します!

ウィム・クロウエルとは、オランダのグラフィックデザイナーで、グリッドを活用した合理的かつシステマティックなデザインで有名です。今でも全く古さを感じさせない、唯一無二のモダンデザインが魅力です。

wim crouwel grid tokyo 3

グリッドデザインとは?

文章や画像など、形の違う要素を格子状の線「グリッドライン」に揃えるように配置することで、すっきりとした見やすい構成にすることができる手法です。新聞や雑誌などの印刷物はもとより、今ではWEBデザインでもよく聞くレイアウト方法です。

私はデザインを学び始めた頃に、レイアウト・デザインの基礎としてこれを習いました。グリッドを使うだけでそれっぽくなるので、デザイン初心者はまずこれを身につけると力がつくと思います!また、レイアウトのベースがしっかりしていると、そこからのクリエイティブの要素(ビジュアルやタイポグラフィなど)も軸をブレさせずに表現することができます。

wim crouwel grid tokyo 2

クロウエルの作品はこの手法を活用しており、文章や画像がシンプルに整然と並んでいるように見えますが、緻密な計算のもと構成されていて、大胆な余白や外し方などは、なるほど!と思えるものばかりです。

理論面では、中立的なアプローチと情報提供を優先するべきという考えを持っていたようですが、実際の作品群は強烈な個性と表現性を特徴としています。その辺りが唯一無二と言われる所以ではないでしょうか。

また、クロウエルの手がけた仕事が集約されている一冊もご紹介します。

wim crouwel grid tokyo 4「ウィム・クロウエル 見果てぬ未来のデザイン」

Wim Crouwel: A Graphic Odyssey by Tony Brook & Adrian Shaughnessy (Unit Editions)

グリッドシステム、コンピュータのための実験的なタイポグラフィ、美術館での自律的なアートディレクション、自身が設立したトータルデザインでのプロジェクトなど、60年以上に及ぶ仕事群を一望することができます。本人のインタビューも掲載されています。

理論と手法に、前例のない次元の詩情と美学を統合させているクロウエルの作品。見ていて気持ちがよく、また、規則性を探したくなるような美しいデザインの作品ばかりでした!是非、足を運んでみてはいかがでしょうか?

 

展覧会情報―――――――――――――――――――

会場/ギンザ・グラフィック・ギャラリー(GGG)

東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F

会期/2018年5月14日(月)~6月23日(土)

入場料/無料

休館日/日曜・祝日

開館時間/11:00~19:00

問い合わせ先/Tel. 03-3571-5206

主催/公益財団法人DNP文化振興財団

公式サイト/http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=1&seq=00000726

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【参考】

・展覧会HP

http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=1&seq=00000726

・Amazon商品説明

https://www.amazon.co.jp/ウィム・クロウエル-見果てぬ未来のデザイン-Wim-Crouwel-Graphic/dp/4861008344

Topics: コラム, レポート, ニュース, クリエイティブ


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