こんにちは、後藤です。
前回はフォトグラメトリとObject Captureについて解説しました。今回はObject Captureを利用して、実際に撮影と3Dモデルの生成を試してみましたので、そちらの様子をご紹介します。
前回の記事はこちら。
前回の記事で取り上げたフォトグラメトリに適した対象物の条件を参考に、今回はNew Balance M996のオールスエードモデルをフォトグラメトリの対象として選んでみました。少し年季が入っていますが、汚れや撚れ具合が再現されるかも含めて試してみたいと思います。
今回は手元にあったiPhone7で撮影しました。
iPhone7はシングルカメラでLiDARスキャナも搭載していないので、Object Captureの本領は発揮できないのですが、今回はテストなのでよしとします。機会があればいずれiPad Proなどでも試してみたいと思います。
撮影方法についても、前回の記事でも取り上げたように、Appleは商品撮影用の撮影ボックスやターンテーブルの利用を推奨しているのですが、それらも手元になかったので今回は、代用品としてWeb会議で使用しているリングライトにモバイルバッテリーを付けたものを用意しました。そしてターンテーブルの代わりに自分が靴の周りを動き回りました。
このように様々な角度から撮影した画像をPhotoCatchでアップロードします。
アップロードしています。
アップロードした後、しばらく待つと生成されたオブジェクトの3Dモデルをプレビューすることができるようになります。3Dモデルなので、タッチ操作でぐるぐる回転させて、拡大縮小することが可能です。さすがはAppleのAPIだけあって、本物そっくりの3Dモデルが生成されました。
紐やステッチなど細かいところまで見事に再現されています。
汚れやエンブレムもそのまま再現されています。
靴底に穴が開いてしまっていたり、靴べろ当たりが不自然になっていたりしますが、これはアルゴリズムの問題ではなくて、撮影の仕方の問題だと思われます。光がより均一に当たるようにすれば直るでしょう。また、LiDAR搭載のiOSデバイスで撮影すれば改善するかもしれません。今回はiPhone7で撮影しており、照明も間に合わせであったにも関わらず、非常に高いクオリティの3Dモデルを生成することができました。
その他にも内側の側面が暗くなってしまっているなど、撮影に起因する問題が残っているので、まだまだ改善の余地はありそうです。
出来上がったモデルをSketchfabにアップロードしてみました。Sketchfabにアップロードすれば、3Dビューワーを使った3Dモデルのプレビューができるようになります。マウスドラッグでモデルをぐるぐる回転させて眺めることができます。
〈元の画像〉
今回はフォトグラメトリを実践してみました。Appleが出しているだけあって、間に合わせの環境にもかかわらず、非常に高い精度で3Dモデル化することができました。
でも3Dモデル化することに一体どんなメリットがあるのかと思われている方もいらっしゃるでしょう。
次回はフォトグラメトリで生成した3Dモデルの活用方法について書きたいと思います。
お楽しみに!