ARのこれから

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ついにベールを脱いだ Magic Leap

Magic Leap 社は革新的なARグラスを開発中として、 Google や Alibaba などから巨額の出資を集めながらも、肝心のデバイスは長いこと未発表になっていました。ところが2017年12月、ついにそのデバイスの外観と概要が発表になりました。

XR1『Magic Leap 社公式ホームページ』より https://www.magicleap.com/

SF映画に出てきそうな見た目ですね。演算処理を行う部分はゴーグルとは別にケーブルでつながっており、使用中はポケットなどに入れておく想定のようです。トラックパッドのようなコントローラーもついています。

Magic Leap に先行しているライバルとして、MicrosoftのHoloLens があります。HoloLens は Magic Leap と同様に、深度センサーを備えたARグラスデバイスで、PCとの接続不要なスタンドアロンであるという点で共通しています。しかしながら、HoloLensはARグラスと演算装置が一体になっており、ほとんどの操作がジェスチャーや音声コマンドで完結するようになっているという点で、少し設計思想が異なっています。また、 HoloLens はあくまでもエンタープライズ向けとして販売されていますが、 Magic Leap はエンタープライズ領域だけでなく、コンシューマー領域への進出も目論んでいるようです。

Road to VR「Magic Leap Job Posting Reveals the Company is Preparing to Enter the Retail Space」https://www.roadtovr.com/magic-leap-job-posting-reveals-company-preparing-enter-retail-space/

このあたりが、HoloLensとMagic Leap の違いに表れているのかもしれません。2018年中の発売を計画しているそうなので、今からデバイスの発売が楽しみですね。

 

次期 HoloLens はAIチップを搭載

一方、先ほど話に出てきたHoloLens についてですが、Microsoft は次期 HoloLens にAIチップを搭載することを公表しています。

『TechCrunch Japan』「第2世代HoloLensはマイクロソフト独自開発のAIコプロセッサを搭載」http://jp.techcrunch.com/2017/07/27/20170724microsofts-second-generation-hololens-will-included-a-dedicated-ai-coprocessor/

AIチップを搭載することによって、デバイス本体に深層学習の機能が内蔵され、また、ハンドトラッキングの精度も向上するとのことです。現行の HoloLens でもクラウドとデータ通信を行えば、画像認識や音声認識などのAI処理結果を取得することができますが、簡単な認識であれば本体でできるようになるため、より少ない遅延で応答をすることができるようになります。

ARデバイス上で画像認識や音声認識ができるようになることで、次のようなことが可能になると思われます。ニュージーランド航空が HoloLens の活用イメージ動画を公開しています。

 

 

 

 『Air New Zealand』

「Microsoft HoloLens Inflight at Air New Zealand」

 

動画の中で HoloLens が乗客の名前や社名などを認識し、キャビンアテンダントの視界に表示しているシーンがあります。左側にはEmotionという表示があり、乗客の属性だけでなく、その感情まで認識されていることがわかります。実際に、 Microsoft Cognitive Services などの、クラウド上の人工知能サービスを利用すれば、写真に写った顔から、人物や、表情などを識別することはすでに可能になっています。現状、ここまでリアルタイムに処理することは難しいですが、AIチップが搭載されれば、この動画イメージにかなり近いことが実現できるかもしれません。

 

XRとAI

昨年はVRが注目を集めた年だったと思いますが、最近はAR関連のデバイスやサービスの進歩が著しく、これからはARが改めて注目を集めることになりそうです。最近ではVR、AR、MRの総称としてXRという表現が使われることが増えてきました。これからはVRとARの横断的なサービスが増えていき、その境はあいまいなものになっていくと思われます。 その時には、画像認識や音声認識を可能にするAIも、ARに欠かせないものになるでしょう。弊社でもVRだけでなく、ARの開発、提案も積極的に進めています。

 

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Topics: マーケティング, レポート, ニュース, VR・AR・CG


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