もっと山形のことを知ってもらいたい!

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偶然にも、大伸社コミュニケーションデザイン企画制作部には、山形出身のコピーライ
ターが3人在籍しています。そんな私達は「何か山形のためになることをしよう!」と
夜な夜な山形の地酒を片手に座談会を開催しています…。

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▶今回の会場は、吉祥寺の「YAMMA」。山形の料理と地酒がいただけます。

 

■山形は「宣伝下手」なのか。

浜川:そういえば昔から、山形県民は「宣伝下手」って言われてるの、知ってる?

吉田:確かにもったいないことしてること多いような気が…。

浜川:ちょっと、この座談会のために調べてきたことがあるんでお話したいんです。 

佐藤:まあ、どうぞ…(失笑)

浜川:実はいくつもあるんだけど…。1つ例を上げるね。日本には2つだけお米の食味ランキングで特Aを受賞している銘柄があるんだけど。それが魚沼産「コシヒカリ」と山形内陸産「はえぬき」。

吉田:おいしいですよね〜はえぬき!

佐藤:両方知ってますよ、もちろん。

浜川:ソレソレ!あなた方は、山形県民だから知ってるんです!!!

吉田・佐藤:えええ〜!!!

 

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▶「青菜」という野沢菜に似た辛味のある葉と、大根、人参を細かく刻んで塩漬けにした「おみづけ」。

 

浜川:全国的には、「コシヒカリを知っているけれど、はえぬきって何?」という人が、  けっこういるんですよ!日本で最もおいしいお米なのに!しかも20年以上連続で受賞し続けているのに、「コシヒカリ」に比べて「はえぬき」は圧倒的に知名度が低い!

吉田:ショック…。他県の人は知らないんですかぁ!?おいしいのに、はえぬき。

浜川:収穫量が少ないせいで、あまり出回らないっていのも理由の一つなんだけどね…。それ以上に、ネーミングに原因はあるのではないかと言われてんだよね。

佐藤:言いずらいですけど、まあ、少し気にはなってました。この名前。

浜川:そもそも、「はえぬき」って「生え抜き」のことで、生粋のおいしいお米という意味でつけられた名前なの。でも、一般的には「はえぬき」は「ハエ抜き」って言葉を想像させてしまうみたいで…。「食べ物にはあまりふさわしい名前じゃない!」と思う人が多くて、そこまで人気が出なかったの…。

吉田:そのせいで、全国に広まらなかったと…。

浜川:その通り。

佐藤:モッタイナイ!

 

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▶「玉こんにゃく」は、玉型のこんにゃくを、出汁醤油でじっくり煮込んだ、

山形県民のファーストフード。

 

■山形の県民性とは?

吉田:そもそも、こういうことになってしまう背景には、山形県民の気質も関係してるんじゃないですかね?

浜川:そうかと思って調べてきましたよ!

吉田・佐藤:(失笑)

 

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▶最近は東京のスーパーでも売られるようになった「だし」。

地元・山形では、だしは買うものはなく、自分の畑から取ってきた

朝積みの新鮮な野菜で作るものという感覚。

 

浜川:山形県民は、東北の中でも最も東北らしい気質をもっていると言われているそう。その理由は「日本一の貧乏藩」といわれた米沢藩の影響が色濃くて、名君とうたわれた上杉鷹山の藩政改革によって「清貧の思想」が根付いたの。そのせいで私心はなく、くそ真面目に働く姿はまさに「おしん」そのもの。男女とも堅実に生きてきたの。

吉田:たしかにくそ真面目ですよね。考えが固いというか。

佐藤:そのくそ真面目ぶりは「美徳」とされるほどだもんね。

浜川:だから浮ついたことをものすごく嫌う傾向がない?じいちゃんとか、ばあちゃんとかに冗談言うと、「口動かしてないで、手動かせ」って、叱られたりするじゃん。あと、山形にはこんな言葉まであるよね「あがすけ」。

吉田・佐藤:きゃ〜恥ずかしい!やめてください。言わないで!

吉田「あがすけ」って、「出しゃばり、生意気、いいかっこしい、傲慢、お調子者、格好つけ、目立ちたがり屋…」あんまり良い意味では使われないですね。

佐藤:山形の人が言われて、一番、恥ずかしくなる言葉じゃないですか?

浜川:そうかもね。山形県民は、控えめなことを美徳とするから、出しゃばる人はきちっと戒めるんだよね。

浜川:ほかにも「つかす」とかね。調子に乗るとか、かっこつけるとかの意味かな?

吉田:人より目立った行動をとる人を避難する言葉が多いよね。

 

 

■宣伝上手になるために…

吉田:あんまり遊びがないんですよね、心に。

佐藤:茶目っ気はある気がしますよ。

浜川:自然なのはいいんだと思う。でも、狙ったのだと…

吉田:敬遠されますよね。山形では。

浜川:口だけの「うそつき」呼ばわりされたりする。

佐藤:だから、山形の広告とかはものすごくシンプル。食べれば分かってもらえる、って姿勢で、いろいろ売り文句を言わない。

吉田:山形の人って、あんまり大々的に広告されてる物、買わないしね。

浜川:「誰それさんちの野菜」っていうのが、一番の宣伝なんだよね。それ以上のこと言っちゃうと逆効果になっちゃう。

佐藤:だからでしょうね。そういう環境では、なかなかネーミングセンスとか、コピーセンスは磨かれないかもしれないですよね…。

浜川:で、県内の人に良さが伝わっても、全国的には、伝わっていかない…

 

 

■ポスト「はえぬき」、「紅秀峰」。

浜川:そういえば、また、山形に埋もれてしまいそうな商品があるのですよ。

吉田・佐藤:なんですか!?

浜川:まだあんまり知られてないんだけど、さくらんぼの「紅秀峰」。

吉田:ああ、最近食べますよ。美味しいですよね、あれ。佐藤錦より好きかも。

浜川:まだあまり知られていないとは言っても、世の中に出回って、すでに10年も経ってるんですよ!

佐藤:「紅」「秀」「峰」…。いまいち、商品の味も形も雰囲気もなにも想像できない…。また、ネーミングセンスの問題ですかね。

吉田:画数の多い漢字を3つも組み合わせてものすごく固い!「何て読むの?」って 言われそう。

浜川:気合いや思い入れは、ものすごく感じるんだけどねえ。ちょっと、紅秀峰の説明していい?

吉田・佐藤:どうぞ(失笑)

浜川:紅秀峰は、佐藤錦と比べると、実が大きく肉厚で、酸味が控えめで甘さを強く感じられます。皮も肉もぱりっとしていて食べごたえあって、日持ちも良い。送られてきたさくらんぼって、ふにゃってしてること多いでしょう?紅秀峰は、それがあまりない。さくらんぼの中でも、収穫できる時期が遅いから、7月の初め頃、暑い季節の水菓子や贈答用にもぴったり!

吉田・佐藤:おお〜。

吉田:食感的に、アメリカンチェリーに似てる気がしました。さくさく食べられて。

浜川:そうそう。

佐藤:若い人にウケる気がしますよ。

吉田:じゃあ何か、キャッチコピー考えましょうか?

浜川:佐藤さん!お願いします。

佐藤:私ですか…

(数分後)

佐藤:「魅惑の果肉」はどうですか?

吉田:「魅惑の果実」の駄洒落じゃない?

浜川:酔っぱらってるから仕方ないかもねー。そういえば、山形県って駄洒落好きじゃない?

吉田・佐藤:分かる気がする…

浜川:何でだろうね?

吉田:じゃあ、次はそのお題で飲みましょう。

 

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▶しめは、やっぱり芋煮。

 

Topics: コラム


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